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森友裁判の一方的幕引き「国は国民に説明を」谷口真由美が痛烈批判

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森友学園への国有地売却をめぐる財務省決裁文書の改ざん問題で、自殺した近畿財務局の元職員・赤木俊夫さんの妻・雅子さんが、国などに損害賠償を求めた裁判。国は赤木さんの自殺と改ざん作業との因果関係を認め、‟認諾”の手続きをとって突然の幕引きをはかった。

これを受けて会見を開いた雅子さんは「ふざけるな」と怒りをあらわにした。認諾は判決と同じ効力を持ち、この裁判は終結する。これで改ざん問題の追及は終わりなのか。「そうではない」とRKBラジオ『櫻井浩二インサイト』に出演した、大阪芸術大学客員准教授の谷口真由美さんは指摘する。

「賠償金は税金から支払われる。ならば国は、国民に説明責任を果たすべきだ」と痛烈に批判した。  
谷口真由美さん(以下、谷口) 赤木雅子さんが求めていたのは、真相の解明です。「なぜ夫は死ななければならなかったのか」を知りたい。赤木ファイルというものの存在も、国側に情報開示の請求をしただけでは出てきませんでした。裁判をするしかなかったのです。

しかし、民事訴訟の場合は損害をお金で表さないといけません。別に赤木雅子さんはお金が欲しくって提訴したわけではなく「私の夫はなぜゆえ命を絶たなければならなかったのか」というとこの真相究明で、他に手段がないからですね。そうしたら国は「はい。もう、言うてること、おっしゃる通りです。お金払います。以上終わり」って。いや、そこじゃないねんって。

私、すごい思うのは赤木雅子さんが、訴訟にあたってどれだけ怖かっただろうかと思うんですね。国を相手に、たった1人で立ち上がるって、ものすごく怖いことだと思うんですよね。
櫻井浩二アナウンサー(以下、櫻井) 実はRKBにお越しになった赤木雅子さんにそのことを聞いたんですよ。そうしたら雅子さんは「例えば電車に乗るときに、ホームから落とされないかとか、階段を下りているとき後ろから突き飛ばされないかとか、常に目配せしていた」と話していました。やっぱり、何が起こるか分からないから恐怖感はあったと。(註・赤木雅子さんのインタビューは同日7時台に放送)
谷口 権力というか、情報量や力に圧倒的な差のあるものに対して立ち向かうときって、むちゃくちゃ怖いと思うんですよ。その勇気とか決心みたいなものも全て打ち砕くようなやり方だと思うんです。だから、なんという卑怯な手を使うんだろうかっていう、感想としてはそんなんしかないですね。

安倍元首相は「自分や自分の妻が関わっていたら、国会議員も辞める」と発言しています。「森友・加計とかいつまで言うてんねん」みたいなこと言う人いらっしゃいますけど、いや続いていますから。

この賠償金が、国庫から払われるお金になるわけなので、国に対して損害を与えた者たちが、それを私たち国民に説明する責任を負っているわけです。だから、もう終わった話ではなく、全く終わってない話ですということを、もう一回認識しなきゃいけないというふうに思います。

そして、赤木雅子さんの決心とか決意みたいなものを、ここで打ち砕いたという卑怯なやり方を、私たちの住んでいる国はやるんだ、ということも、あわせて記憶しておかなければならないと思うんですよね。国から何かされた方たちが真相究明できないということになるので、裁判のシステムそのものが形骸化し、意味をうしなってしまうことに繋がると思うんです。

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