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畑を変える 土壌ドクター

ビジネス
宮崎県新富町の農業コンサル会社、テラスマイルの神原哲士さん(36)は、生産者に土づくりのアドバイスを行い品質向上や収穫量UPをサポートする土壌の専門家。多くの依頼を受け、県内各地を飛び回っている。依頼を受けるとまず行うのが畑の健康診断。

大小様々なスコップで深さ1メートルの穴を掘る。「2時間程かかりますが、手で掘ることでより多くの情報を得ることができます」 穴を掘りながら土の硬さや通気性、排水性、根の生育環境などを診断。症状に合わせて土の治療にとりかかる。やっていることは人間のお医者さんと同じ。まさに土壌のドクターだ。
診断後は科学性や物理性、生物性などあらゆる角度から土のデータを分析。さらに土地の歴史や地質まで調べ、土壌の改良プランを作成。3年程かけて土壌を改善していく。

北海道の帯広畜産大学大学院で土壌学を学び、自身も就農経験を持つ神原さん。周囲から「土マニア」、「土オタク」と評されるほど土への思いは深く、最近は生産者向けの勉強会も開催している。
科学的なデータを用いて作物の生産性向上を目指す土壌のプロに迫る。
■取材先
担当者:神原哲士さん(36)
住所:宮崎県児湯郡新富町富田2-20
電話:080-6127-6573

取材後記

土壌ドクター、神原さんは人間の健康診断のように土を診察し、悪いところを見付けていく。生産者に問診をしたり、外科的な処置や処方箋のように肥料についてもアドバイス。普段はおだやかでにこにこしていますが穴を掘り土を診断する時は目つきが変わります。穴を掘ることは胃カメラで覗くような感覚かもしれません。畑ではいろんなデータを記録し、その後の分析で使います。

デスクワークも拝見しましたが、科学や生物、物理の用語が満載で少々難しい内容。ですが、これからの農業には必要な知識なんだそうです。 農業は長年、勘と経験で行われてきたところが多く、畑を診断すると過剰な養分を与えていたり、効果が少ない作業を続けているなど多くの無駄があるそうです。神原さんは科学的な知識や情報を導入することでその無駄を減らし効率的な作業に時間や費用を費やすことができるとおっしゃっていました。
土を正しく理解して土が持つ力を引き出す。神原さんはシンプルでスマートな持続可能な農業を目指しています

担当:MRT宮崎放送 日髙 良敬

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