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里山のネイリスト パリへ!

「パリコレクション」といえば、頭に浮かぶのはランウェイを歩くファッションモデル。だが今年3月、フランスで初めて開かれたのはネイルアートを紹介するショー。このイベントに出品参加した一人が人吉市でネイルサロンを営む、上原泉さん(39)だ。

上原さんの店は予約が取れないほどの人気を誇るが、それらは日常生活に支障のない、爪の表面に色付けするタイプのもの。真骨頂は爪の上に立体的なデザインを施すネイルアートだ。花びらや葉っぱといったものから、般若の面といった独自の世界観…頭に浮かんだイメージを具現化するために素材を集め、店が終わった後、睡眠時間を削って作品作りに没頭する日々だ。

そのデザインに目を付けたのがネイルに特化したショーを立ち上げた関西のネイルデザイナー集団、「爪華師(そうかし)」。彼らに声をかけられた上原さんは去年、イタリア・ミラノのショーに自らの作品を出品。そして今年3月、ファッション界が最も注目するフランス・パリでのショーにも参加する事に。
「ネイルデザイナーという職業が世界で評価されることで今後の道を作りたい」。果たして上原さんがパリコレで披露する作品とは。創作の過程を追う。

オールアバウトネイルズ izumi
担当者:上原 泉さん
住所: 熊本県人吉市
HP:https://www.instagram.com/all_about_nails_izumi/
 

取材後記

毎日の睡眠時間は3~4時間。営業とスキルアップ、作品制作にプライベートの時間を費やす上原さん。そこまでして取り組むようになったきっかけは、上原さんの住む人吉市を襲った2020年7月の豪雨災害。当時サロンをしていたご主人のバーや自宅は、水害により被災。 

食べること、寝ること、そんな当たり前なことに苦しむ日々。地元人吉市の人たちが涙を流す光景を目の当たりにして「自分がやってきたネイルって価値があるのか?」と、一時はネイルの仕事を辞めることも考えた。そんな時に自身を支えてくれたのはネイルでつながった縁。全国からのお客さんや仲間の支援・励ましを受け、自らの仕事に再度誇りを持つことができたそうです。 

「人が喜ぶもの、驚くものを作ろう」「やるからには、本気で打ち込もう」。それが、今の生活スタイルに。技術を磨き重ね、「好きな事」に打ち込む。その結果が、今の輝きだと語る上原さん。 「彫金のように」今後も世界で輝くことを祈っています。 
 

(RKK熊本放送 /山本 修平)

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