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「クルマの地図大集合!」日本初の道路地図誕生から68年の軌跡 福岡・北九州市

紙の地図から最新のカーナビまで、「クルマの地図」の歴史を紹介する企画展が20日から北九州市で開催されるのを前に、18日に内覧会が開かれました。


◆68年前の「道路地図」
1955年、日本で初めて作られた車を運転する人向けの地図、「道路地図」です。よく見ると、きれいな緑色の道と点々で表現されている道があり、舗装されているか砂利道なのかを区別しています。

ゼンリンミュージアム 河野由美学芸員「当時の国道の舗装率は8%、燃費も違ってきますし大事な情報だったんですね」

「道路地図」ができるまでの地図は、主に地名や鉄道などが記載され、位置を把握することに重点を置いていました。庶民に乗用車が普及し始めたことから、道路を記載する「道路地図」が世の中に必要とされるようになったのです。


◆趣向を凝らした地図
全長3メートル、裏面を合わせると6メートルにもなるものや折り目に沿って折ると日本列島の形になるもの。「ダイナミック・タイプ」という独自の折り方をするものなど、各社が趣向を凝らしていました。

ゼンリンミュージアム 河野由美学芸員「折り方をマスターするのが難しかったんですが、マスターすればすごく使いやすかった」

結局は、使いやすさと大判地図の一覧性が両立した書籍型の地図に落ち着くことになります。なぜ、最初からこの大きさにしなかったのでしょうか。

河野由美学芸員「書店で売るときに本棚を確保するのが難しかった。雑誌として売り出すことで、このB4版を売り出すことに成功した」


◆カーナビの歴史
RKB浅上旺太郎「現在はスマホ1画面に世界中どこでも表現することができますが、世界初のカーナビは地図を紙芝居のように入れ替えて使っていたということです」

本田技研工業が開発した世界初のカーナビは、移動方向を感知するセンサーを搭載し、車に合わせて現在地が動く画期的なものでした。ただ、事前に車の位置を手動で登録する必要があり、エリアの端までいくと地図を入れ替えなければならないという手間のかかるものでした。その後、地図はデジタル化されGPSシステムの導入、さらには音声などで道案内をするようになり現在のカーナビへとつながっていきます。


◆進化する地図
ゼンリンミュージアム 河野由美学芸員「人が運転するための地図だったのが段々、自動運転もあり車のための地図に進化しています。地図の楽しさを改めて認識してもらえたら」

日本初の道路地図の誕生から68年。クルマの地図の歴史を紹介する企画展は、北九州市小倉北区のゼンリンミュージアムで20日から開催されます。

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