日本でも“娯楽”「一緒に集まり楽しみたい」ウクライナ避難民の支援は新局面に
ウクライナから日本に避難してきた人の中にはさまざまな事情で帰国した人もいますが日本で生活を続ける人たちにとっていま何が必要とされているのでしょうか。同胞で集まり、気兼ねなく話す機会や、旅行などの「娯楽」を求める声が高まっていることがわかりました。
目次
ルーティンの日々→やっと日本の「自然美」が見られる
ウクライナから避難している人たちを対象としたバスハイクが10日、開催されました。主催したのは福岡市でウクライナ避難民の支援を続けているNPO法人で、日本財団からの補助金を使って熊本の阿蘇地方を観光します。
ラリーサさん「旅行ができてすごく嬉しい。仕事をしていても毎日同じことをして出かけたりしないし、やっとみなさんと集まってお出かけできるのがすごく嬉しいです」
ウラディミールさん「日本の自然のきれいなところがやっと見られる。いろんなところが見たいです」
みんなで集まり楽しむ、避難民に「娯楽」のニーズ
日本財団によるとウクライナから避難してきた人たちに給付金や生活物資以外で必要な支援を調査したところ半数以上が観光やイベントなどの娯楽、みんなで集まり、楽しむことでした。
NPO法人グローバルライフサポートセンター・山下ゆかり代表理事「昨年クリスマス交流会をした時に皆さんから非常に楽しかったと。同じウクライナの方ですけど、もともとは全然知らない方ばっかりです。だけど、一緒に集まったときに前から知っていたような親近感みたいなものがあって、また企画できればとずっと思っていました」
参加者はフルーツ狩りやアイスクリーム作りなどを体験しました。
ナタリアさん「すごく楽しかったし、面白かった」
ウクライナから避難して約1年、ナタリアさんは母国のことを思うと常に心が痛く、心配だといいます。ただ、日本で生活を続けることで気持ちの変化もあったといいます―。
避難民に必要な「支援」が変わってきている
ナタリアさん「日本にきて、やっと気持ちを切り替えられるようになりました。ウクライナのことをもちろん考えているけど、ずいぶん気持ちが楽になりました。日本の皆さんの優しさに自分が負けているから、気持ちを切り替えてなるべく前向きに進んでいきたいです」
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は今も終わりが見えず、被害は広がっています。避難民にとっても苦しい状況が続く中、時間の経過とともに彼らが必要としているものや支援内容も変わってきています。
山下理事「生活の不自由さやストレスを抱えて帰国された方々、帰ろうかなと帰国しようかと考えていらっしゃる方もいます。相談の内容も若干変わってきています」
同胞に会える喜び「やっと心を開いて前向きに」
ウラディミールさんとラリーサさん夫婦「久しぶりに戦争のことを忘れたぐらい楽しかったです。景色を見て、皆さんと同じ言葉をしゃべって、本当に久しぶりにちょっとだけでも戦争のことを忘れて心が休めました」
ジデンコさん「同じ国の方に会えてすごく嬉しいです。会話もできたし」
娘の黒川カリーナさん「家族だけでも逆にストレスだけたまる。いろんな人たちとコミュニケーションを取らないとストレス解消ができない。お父さん、お母さんもやっと心を開いて前向きになったかなと思っています。この1年長かった。本当に長かった1年。やっとこの気持ちになるまでが長かった。本当に笑顔が多かったからすごく良かったと思います。今日の旅行は」
ウクライナを離れてから1年、日本に避難してきた人たちは悩みを共有し、励まし合うことでなんとか前を向こうとしています。
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