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「理解してくれる人は、必ずいる」皮膚の難病“魚鱗癬”の青年 幸せの日を迎えて決意

皮膚が剥がれ落ちる難病「魚鱗癬」。この病気や偏見と闘う梅本遼くんをRKBは20年以上取材してきました。遼さんはいま27歳、理解してくれる人に出会い先日結婚しました。魚鱗癬の患者として結婚した遼さん、仲間たちへの力強いメッセージです。

プロポーズの様子を披露宴で“自白”

有意義な情報交換を済ませた後、ビッグイベントが用意されていました。

「それでは、新郎・新婦ご入場です」

遼さんと桃香さんの結婚披露パーティーです。遼さんの弟・蓮さんも2022年に結婚し、兄弟そろってのパーティーが行われました。

「遼くん、桃香さん、結婚おめでとうございます。乾杯!」

会場には、魚鱗癬の会のメンバーをはじめ、遼さんたちを長年見守ってきた人たちが集まりました。

遼さん「ライブハウスでたまたま共通の知り合いがいて、そこから仲良くなって。プロポーズはどこかにご飯を食べに行ったとかではなく、家で普通に『結婚してください』と言いました。恥ずかしいわ!」

「幸せになってほしい」「自分の未来が見えた感じ」

 

 

大阪公立大学大学院 橋本隆特任教授(皮膚病態学)「遺伝病なので、ここまで理解して結婚を決めるって大変なこと。本当に幸せになってほしいと思います」

2人の幸せそうな姿は、魚鱗癬の患者、そして家族にとっても大きな励みとなっています。

魚鱗癬患者 内村将斗さん「皮膚の病気を持っていると、なかなか普通の人に分かってもらえないことがあると思うんですけど、2人を見ているとそういうのは関係ないんだなって改めて思います。おめでとうございます」
魚鱗癬患者 山本華那さん「正直言うと、自分にはもうないのかなって思っていた部分ではあったので、『素敵だな』って思ったし、本当に未来が見えた感じはありました」

母の梅本千鶴さん「今日初めて、本当に結婚したんだ、と実感として沸いてきたし、遼と結婚してくれたももちゃんに感謝ですよね」

新郎謝辞「みんなの盾になって、みんなを守る」

幼いころから病気のことで偏見にさらされ、幾度となく辛い思いをしてきた遼さん。一番の理解者ができ、その姿はいつもよりもたくましく、そして自信に満ちあふれているようでした。

 

梅本遼さん「自分は健常者ではないので、結婚(できるか)は常に意識はしていたんです。まさか自分をこうやって理解してくれる桃香であったり、もものお母さんであったり、本当にお母さんの家にあいさつに行った時は、逆に『ももをよろしく頼む』と言われましたので」
「本当に一つ言いたいのは、絶対理解してくれる人がいるんで、必ず。自分もいたからそれは断言できます。結婚は、諦めたらだめです。これは断言します。結婚は諦めたらだめです! なので、自分たち2組夫婦が先頭を行きますので、皆さんついて来てください。自分たちが矢面に立って。何を言われても大丈夫です。28年ずっとそうだったんで、俺が。みんなの盾になって、みんなを守るので、絶対勇気だったり、希望だったりは諦めないでください。以上です。ありがとうございました!」

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