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「理解してくれる人は、必ずいる」皮膚の難病“魚鱗癬”の青年 幸せの日を迎えて決意

皮膚が剥がれ落ちる難病「魚鱗癬」。この病気や偏見と闘う梅本遼くんをRKBは20年以上取材してきました。遼さんはいま27歳、理解してくれる人に出会い先日結婚しました。魚鱗癬の患者として結婚した遼さん、仲間たちへの力強いメッセージです。

「国指定の難病」全国に300人

元気に広場で遊ぶ、子供たち。彼らは「魚鱗癬」という病気と闘っています。遺伝子異常により、皮膚が乾燥して剥がれ落ちたり、皮膚が赤くなったり、指が変形したりする国指定の難病です。かゆみを生じ、体温調節もうまくできないため、こまめに水分補給をしなければなりません。幼い子供たちの面倒を見ている梅本遼さんも、この病気と向き合っています。

 

魚鱗癬の患者は全国に約300人いる、と言われています。他の人にうつることはありませんが、見た目の印象が強いため、遼さんもこれまで多くの偏見にさらされてきました。

「彼女です」「本当に?」驚く仲間たち

しかし、2022年の交流会で――。

遼さん「彼女です」
参加者「また恐ろしいことが。いきなりきたね~、ぶっこんできたね~」「本当に? 本当に?」

初めて彼女ができたことを報告し、参加者たちを驚かせました。

母親「これまで想像もしなかった」息子の結婚

そして遼さんは2023年3月、彼女だった桃香さんと結婚したのです。現在は、遼さんの母・千鶴さんと3人で暮らしています。桃香さんに家庭の味を教えている千鶴さんは「これまでは想像もしなかったこと」と話します。

 

梅本千鶴さん「私は遼の面倒をずっと一生みらんといけんのやね、って思ってたもんね。普通の男の人として見てくれているのは、すごいうれしいですよね」
妻・桃香さん「作業しながら、初めてのことをお母さんと話すことが楽しいから、お母さんと仲良くなれるいいきっかけに」
梅本遼さん「(結婚した)実感がある感じ。なんかうまく言えないけど」

二人で手をつないで

魚鱗癬の患者である遼さん。大人になっても、皮膚が剥がれやすいという特性は変わりません。桃香さんは一日に何度も掃除機をかけることもあるそうです。

桃香さん「最初は『掃除が大変だな』って思っていました。何回もかけないといけないから。たまに血が混ざっていたりしたら、体調が悪いということがわかりました」

2人が大切にしているのが、週末の散歩の時間です。

 

Q.ちゃんと手をつないで歩くんですね。
遼さん「あ、そうそう」
桃香さん「電車でもバスでもモノレールでも、いつもつないでくれます。最初はつなぎにくくて、どこに手を挟んだらいいかわからなかったです」


Q.今はポジションができた?
桃香さん「そうです。毎日のことだから馴染みます」
 

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