6月下旬から7月上旬、九州北部はちょうど梅雨末期にあたり、毎年のように大雨に見舞われる。これまでの大雨特別警報の発表回数は、福岡県と長崎県が5回と全国で最も多く、次いで佐賀県の4回となっている(6月末時点)。
特別警報級の大雨は、九州北部では線状降水帯によってもたらされることがほとんど。さらにやっかいなのは、発生時間が夜から朝に集中していることだ。
2021、22年で線状降水帯発生情報は全国で37回発表されたが、そのうち夜から朝(午後9時~午前9時)に発表されたのが25回。逆に午前9時~午後9時に発表されたのは12回と、夜から朝にかけての発生頻度がなぜか多い。
情報に気づきにくい時間帯の線状降水帯発生に対して、早めの避難行動をとってもらう一助となるべく始まったのが線状降水帯の「半日前予測」だ。
22年、この半日前予測は13回発表されたが、実際に発生したのは3回。しかし外した10回のうち4回は線状降水帯にならずとも大雨となっている。
さらに予測精度を上げることは今後の課題だが、半日前の予測が出た際には明るいうちに避難行動をとって安全を確保していただきたい。
横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2023年7月8日掲載
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