周囲の環境に自然になじみながらもしっかり個性を感じさせるおしゃれな外観の家、憧れますね。外観デザインを決めるのは難しいイメージがあるかもしれませんが、家全体や屋根がシンプルな形でも、窓選びによって目を引く魅力的な外観に仕上げられます。
家の外観をおしゃれに仕上げるための窓選びのポイントや、窓選びにおける注意点について詳しく解説します。
おしゃれな外観にしたい!注文住宅の窓選びのポイント
窓は採光や通風、室内からの眺望など暮らしやすさと直結する部分ですが、「外からどう見えるか」を考えながら選ぶと一段と垢抜けた印象の外観が実現できます。おしゃれな外観のカギとなる窓選びのポイントをご紹介します。
窓の種類とサイズ
サイズの選択肢が豊富な引き違い窓やシンプルさが際立つFIX窓(はめ殺し窓)、スタイリッシュな見た目が印象的な縦すべり窓・横すべり窓など、窓の種類やサイズはさまざまです。FIX窓と縦すべり窓など異なる種類の窓をつなげた連窓(横に連結)や段窓(縦に連結)も、おしゃれな外観に仕上げるために活用できます。
窓のデザイン
窓のデザインとしてもっとも一般的なのはシンプルな長方形ですが、正方形や円形、アーチ型などもあります。ガラス部分に桟が入った格子入り窓もおしゃれですね。外観のデザインテイストに合わせて選びましょう。
窓サッシのカラー
窓サッシ(窓枠)のカラーは、ひと昔前はシルバーが一般的でした。最近は黒やブロンズ、木目調などバリエーションが増えて、外壁の色とのバランスによって個性を演出できる要素になっています。
窓の配置
インパクトのある外観デザインの家は、窓の配置が工夫されていることが多いです。ただし窓の配置は間取りに連動しているため、間取りを考える際に外観としてはどう見えるかを同時進行で考える必要があります。
ちょっとした工夫で外観をセンスアップ!窓を選ぶ際の7つのポイント
おしゃれな外観にするための窓選びに不安を感じる方は多いかもしれませんが、実はそんなに難しいことではありません。外観をセンスアップするための窓選びで意識しておくとよいポイントを紹介します。
ラインを揃える
横に並ぶ窓の上端や下端のラインを揃えると、外観がすっきりとまとまります。異なる大きさの窓を使う場合でも、基準となるラインを意識すると統一感が生まれ、バランスの良さを感じさせる仕上がりになるでしょう。
メインの窓のデザインにこだわる
どこか1ヶ所の窓をメインの窓として位置づけ、デザインに凝るのもおすすめです。存在感のある大きな窓や目を引く円形の窓などを選ぶと、メリハリが生まれて外観全体のデザイン性が高まります。
縦長・横長の窓で変化を出す
単調な窓配置になりそうな場合は、縦長窓や横長窓を取り入れてみてください。外観にリズムが生まれ、個性が強調できます。
地窓や高窓でプライバシー保護も重視する
道路側や隣家に面した外壁面には、低めの位置に設ける地窓や天井近くに設ける高窓を選ぶとよいでしょう。高さがないため防犯性が高く、室内が見えにくいことでプライバシーを守りながら採光や通風を確保できます。
窓サッシのカラーでアクセントをつける
窓サッシのカラーを外壁の色とどうバランスをとるかで、外観の印象が大きく変わります。たとえば外壁を淡い色に、屋根と窓サッシを濃い色にしてコントラストを効かせ、立体感を出すといったことも可能です。
ガラスのデザインを選ぶ
部屋の用途とのバランスを考慮する必要がありますが、ガラスを工夫するという方法もあります。すりガラスや格子入りガラス、ミラーガラスなど、外観にさりげない個性を加えられるガラスを選んでみてください。
同じ種類・サイズの窓を並べてラインを強調する
たとえば2階の窓に同じ種類とサイズの窓を均等に配置すると、直線が強調されてモダンな印象を与えます。この方法は、屋根や家全体の形がシンプルでも、窓によっておしゃれな雰囲気を出せる配置として人気が高いです。
見た目以外も重要!窓選びの注意点
どんな窓を選ぶかによって外観の印象は変わりますが、見た目だけでなく機能面にも目を向けることが大切です。窓選びで後悔しないために、次のポイントにも注意しましょう。
採光や通風
窓の主な役割は採光と通風です。採光が不足すると室内が暗くなりますし、風通しが悪いと快適性を損ないます。方角や部屋の用途などを十分考慮した上で、窓の種類や配置を考えましょう。
開閉のしやすさ
窓の設置位置によっては、開閉がしにくい場合があります。特に高い位置に設置する窓や大きな窓は、日常生活で開閉がしやすいかを考えることが大切です。すべり出し窓やルーバー窓など開閉の操作がやや複雑な窓は、面倒に感じるかもしれない点を踏まえて検討しましょう。
家具との干渉
窓が多い場合や窓のサイズが大きい場合は、壁面の面積が減るため家具のレイアウトに影響が出る場合があります。外観としてはおしゃれでも、室内では家具が配置しにくいとなると本末転倒です。部屋に必要な家具と干渉しないかを考慮しながら窓のサイズや配置を考えましょう。
まとめ
窓の種類やデザイン、配置によって家の外観の印象は大きく変わります。採光や通風、要望といった暮らしやすさと外観のバランスを上手に取る必要があるため、住宅会社の担当者ともしっかり相談しながらじっくり選んでみてください。

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住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。
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この記事を書いたひと

rkb_ouchi