九州北部地方を襲った記録的な大雨から17日で1週間です。被災地では、厳しい暑さの中、復旧作業が続いていますが、ボランティアなしでは前には進めない現状があります。
被災地は「立っているだけで汗が噴き出す」
3連休最終日の17日。14件の土砂災害が発生し住宅約20棟が被災した福岡県東峰村では、各地からボランティアが集まりました。
RKB 野島裕輝記者「立っているだけで汗が噴き出すような暑さのなか、ボランティアの方たちが片付け作業に追われています」
ボランティアたちは、住宅に流れ込んだ土砂を取り除いたり使えなくなった家財を運び出したりしています。
ボランティアとして訪れた人「6年前の豪雨災害の時にも来ましたが、同じような状況になっているなと感じました。生活もあるので自分たちができるだけ早く作業した方がいいのかなと思います」
東峰村に住む80代の女性「前回6年前の豪雨の時と一緒。本当に『またか』と、腰が折れる。思います。ボランティアが来てくれて助かりますよ、私も疲れたので」
東峰村役場では、この3連休の間も公的な支援を受ける際に必要な「罹災証明書」の受け付けを行いました。
親族の空き家が被災して申請に訪れたという人は「前回6年前と比べると状況は一緒なんですけど、庭先と土間に土が流れ込んできました。今はまだ何とか住めるんですけど、これが続けばもうちょっと無理かな…」と繰り返される被害に肩を落としました。
270人を超えるボランティア
一方、土石流が発生した久留米市田主丸町でも、17日は270人を超えるボランティアが訪れ、復旧作業に参加しました。
被災した住民「70歳のおばあちゃんだから力仕事ができません。床下に泥があんなに溜まっているとは思いませんでしたから本当に助かります」
ボランティアに訪れた高校生「困っている人がいるので助けたいと思って参加しました」
ボランティアに訪れた人「早く普通の生活に戻れるようにね、暑いですけど汗ふきながらやりますよ」
今回の大雨では、久留米市内の小学校も被災しました。17日、校舎内の消毒が行われましたが、まだ児童が登校できる状況ではないとして、被害の大きかった2校は、前倒しで18日に夏休みが始まります。
温泉施設「年内の復旧は難しい」
RKB三浦良介記者 「久留米市田主丸町の日帰り温泉施設『みのう山荘』です。大雨の影響で裏山の土砂が流れ込み、内湯と露天風呂が埋まっています」
耳納連山の中腹に位置し、筑紫平野を一望できる展望露天風呂が人気の日帰り温泉施設「みのう山荘」 今月10日の大雨で裏山が崩れ、内風呂と露天風呂の屋根が崩落し浴場が土砂で埋まるなど大きな被害を受けました。
みのう山荘 安井那称子店長「何からとりかかったらいいんだろうという絶望的な状況だったんですけど、ボランティア団体の方の力を借りながら、皆さんのご支援も借りながら、何とか再建に向けて頑張っていきたいと思っています」
大阪や熊本、福島からもボランティアが駆けつけ土砂を掻き出す作業を行いました。
ボランティアの男性「電話したら出なかったので、これはやられているなと思ってかけつけました」
南阿蘇のボランティア団体も参加。建設機械を使って壊れた屋根や土砂の撤去作業は進んでします。しかし、内湯や露天風呂の復旧作業にはまだ手がつけられない状況です。
みのう山荘 安井那称子店長「復旧は、今年いっぱいは難しそうかなという感じです 資金面的にも厳しいのでクラウドファンディングや支援金を募らせていただいて、どうにか復興に向けて進めていければと思っています 私有地というのがネックになっていて、行政が入り込めないようなので民間のボランティアの方々で進めて頂いています」
久留米市社会福祉協議会によりますと、15日~17日の3連休中には、連日200人を超えるボランティアが活動しましたが、18日は160人ほどに減る見込みだということです。九州北部の広い範囲が被害を受けた今回の大雨。被災地では人手が十分とは言えず、継続的な支援が必要です。
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