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世界の剣士へ届け!究極の防具

日本で生まれた剣道。その魅力は世界に広がり、今やワールドワイドな武道となっている。
そんな剣道の防具を自社生産しているのが、宮崎市にある「日本武道宮崎」の多田竜三さん(46)。剣道の有段者でもある多田さんは、大学卒業後にフランスなど海外に渡り、現地の剣士と交流。
そこで、彼らがボロボロになった防具や、サイズが合っていない防具を使い続けている現状を目の当たりにする。剣道防具の職人を祖父に持ち、技術を習得していた多田さんは、彼らの防具を修理しながら、日本で自ら理想の防具を作り海外の剣士へ届けることを決意する。

多田さんが情熱を込めて作り上げた防具が、「サード」と名付けられた“甲手”。
軽量で衝撃を吸収し、「外は小さく、中は広く」という剣士にとって理想的な機能を実現した。
「サード」を使用する国内外の剣士は、「まるで素手で竹刀を持っているようだ」と、その品質の高さに感嘆する。

「素晴らしい防具を作って、世界の剣士にひとつでも多く届けたい」と話す多田さん。そんな多田さんのもとには、剣道の文化と防具の知識を学ぼうと、多くの海外剣士が訪れている。
防具職人として、また一人の剣士として、多田さんは世界の剣士に剣道の魅力を伝えていく。

会社:日本武道宮崎
住所:宮崎県宮崎市吉村町曽師前甲3169-4
電話:0985-32-1058
HP :https://www.nipponbudomiyazaki.com/

取材後記

剣道防具が現在の形になったのは江戸時代後期と言われていて、長い歴史があります。
多田さんが作る新しい甲手「サード」という名前には、剣道防具がすべて手縫いで作られていた時代(第1世代)から、工場での大量生産時代(第2世代)を経て、第1世代の品質と第2世代の生産性を兼ね備えた新しい「第3世代」にこの甲手を位置付けるという、多田さんの思いが込められています。

今回の取材を通して、「サード」を国内外の剣士に届けるため、出会う1人ひとりに誠意をもって接している多田さんの人柄に私自身も感銘を受けました。
今後は甲手以外の防具の改革にも取り組んでみたいと語る多田さん。
防具職人としてどんな挑戦をしていくのか、これからも注目したいと思います。
 

(MRT宮崎放送 廣末 圭治)

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