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「ちょこっと刺してやれ、大事にはするなよ」工藤会ナンバー2が一部事件で襲撃指示認める トップの極刑回避がねらいか 市民襲撃4事件控訴審で主張変更

4つの市民襲撃事件で殺人の罪などに問われ、1審で死刑判決を受けた特定危険指定暴力団・工藤会のトップで総裁の野村悟被告(76)と、無期懲役の判決を受けたナンバー2の田上不美夫被告(67)の控訴審が、13日午前10時から福岡高裁で始まりました。1審では両被告とも全面無罪を主張していましたが、控訴審では一転して田上被告が一部で犯行を指示したことを認めました。

1審ではトップに死刑判決


控訴審の初公判を迎えた特定危険指定暴力団・工藤会のトップで総裁の野村悟被告とナンバー2の田上不美夫被告は、元漁協組合長射殺(1998年)、福岡県警元警部銃撃(2012年)、看護師刺傷(2013年)、歯科医師刺傷(2014年)の4事件に関与したとして殺人などの罪に問われています。2019年10月から始まった1審の福岡地裁では、「配下の組員が勝手にやったこと」として両被告とも全面的に無罪を主張していましたが、福岡地裁は「野村被告が首謀者、あるいは指示命令があった」と認定し、野村被告に死刑、田上被告に無期懲役の判決を下しました。判決が言い渡された際、野村被告は裁判長に対し「生涯後悔するぞ」と発言しています。

新弁護団で控訴審に臨む


両被告は判決後に弁護人を全員解任。過去に著名事件を担当した弁護士を主任弁護人に迎え、控訴審に臨んでいます。

ナンバー2が主張変更 「無関係な野村被告を巻き込んだ」


13日の午前10時から福岡高裁で開かれた控訴審で、ナンバー2の田上被告は、4つの事件のうち、看護師刺傷事件と歯科医師刺傷事件で、「野村被告に連絡せず、組員に犯行を指示した」と関与を認める主張に転じました。野村被告については、1審と同じく無罪を主張しています。田上被告は主張を一転させた理由について、「無関係な野村被告を巻き込み、有罪とされる事態に直面し、不徳を恥じた」と説明しました。一方で、「ちょこっと刺してやれ、大事にはするなよ」と組員に指示したとして殺意は否認しました。

法廷階の立ち入りや所持品を制限


福岡高裁は、この事件の公判について、「事件の特殊性と来場者の安全確保」を理由として、1審の福岡地裁を上回る警備態勢を敷いています。法廷がある10階には、傍聴券があたった人と限られた報道関係者しか立ち入ることを許さないほか、法廷前で所持品検査を行い、携帯電話やパソコン、ライターなどは持ち込みそのものを禁じています。廷内には8人の警察官が入りました。また被告人らと傍聴席の間には高さ2メートルほどの透明な板が設置されています。

工藤会トップ、ナンバー2の控訴審

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