町長を市長が刑事告訴…異例の事態 ごみ処理施設組合の情報公開請求めぐり~福岡
自治体が隣町のトップを刑事告訴する、という異例の事態になりました。福岡県田川市の村上卓哉市長は13日、大任町の永原譲二町長を「強要未遂の疑い」で刑事告訴。さらに田川市議7人も同じ容疑で永原町長を刑事告発しました。
田川市議7人も刑事告発する展開に
RKB今林隆史「大任町長を告発するため、田川市議が福岡県警本部に入ります」
田川市の市議会議員7人は13日、大任町の永原譲二町長を強要未遂の疑いで福岡県警に刑事告発しました。
香月隆一田川市議「気に入らないことがあったら、強要脅迫するとか。そういった田川地区の間違った政治を変えていかなければいけない。それが今一番いいタイミングだと思う」
そして、田川市の村上卓哉市長も13日、永原町長を同じ強要未遂の疑いで刑事告訴しました。
大任町長は発言を否定
田川地区8市町村で構成するごみ処理施設組合で組合長を務める永原町長が6月、田川市の村上市長に対し、施設に関する情報公開請求にそのまま応じた場合、組合から出て行くように発言した、というのです。永原町長はこれまで「出て行けとは言っていない」と発言そのものを否定しています。
田川市議会で永原譲二・大任町長「『出て行け』と言っていますけど、私は一言も言っておりません」
RKBの取材に対しても永原町長は発言を強く否定しています。
RKB今林隆史「『嫌なら出て行って自分たちで建てなさい』という発言は、町長されてないんですか?」
永原譲二・大任町長「してません」
「出ていけばいい」音声データを市長が公開
しかし、村上市長が公開した音声データには永原町長の発言が収録されていました。
「これは出したら困る、信義を守れ。出したらもうあとは全てがもう俺たちとあんたがた協力せんから。全て。そんなことまで市長たる者がするならもう議会議決して出ていけばいい。嫌なら出て行って自分たちで建てなさい」
音声データには、田川市からの焼却灰の受け入れ拒否を臭わす永原町長の発言も記録されていました。ごみ処理施設の組合長を務めるなど田川地区で大きな影響力を持つ永原町長の言葉だけに、村上市長にとっては大きなプレッシャーとなり得ます。
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この記事を書いたひと
今林隆史
1976年生まれ 福岡市出身 政治・経済などのニュース取材に加え、ドキュメンタリー番組の制作にも携わる。第58次南極観測隊に同行。JNNソウル特派員として韓国の大統領選挙(2022)などを取材。気象予報士・潜水士の資格を有し、環境問題や防災、水中考古学などをライフワークとして取材する。 番組「黒い樹氷~自然からの警告~」で科学技術映像祭 内閣総理大臣賞(2009)、「甦る元寇の船~神風の正体に迫る~」同映像祭 文部科学大臣賞(2013)など受賞。