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虫には虫を!農家を救う天敵ビジネス

トールサイズのカップに入っているのは飲料…ではなく、大量の虫。ラベルには「天敵のたね」の文字。天敵とは害虫を捕食することで農作物を守る生物を指す。
この天敵を熊本県内のみで収集・販売する会社が熊本市のペコIPMパイロットだ。
主な顧客はハウス栽培を行うナスとトマト農家。これらの農家が長年対策に苦慮してきたのが果実の色を変色するなどの害を及ぼす“白い悪魔”、コナジラミ類。
従来は化学農薬の散布で対処してきたが、農薬を使い続けると害虫は次第に抵抗力を持つようになり、効き目が薄くなってしまうという問題があった。
だがペコIPMが収集・販売するタバコカスミカメという、全長約4ミリの昆虫数百匹をハウス内に放飼するとコナジラミ類を本能的に捕食、結果として防除効果が生まれるのだ。
農家にとっては、農薬散布の回数が大幅に減る上に生産効率が上がるなどのメリットが。いまでは全国有数の生産量を誇る熊本市のナス農家の6割がタバコカスミカメを使った防除法を導入している。
社長の浦野知(58)は「自然界の虫を集めて売っている会社は他にないだろう」と話す。しかし自然の生物と向き合う日々には様々な課題と試行錯誤が。唯一無二の“天敵ビジネス”の世界を取材した。

会社:株式会社ペコIPMパイロット天敵ユニット
担当者:浦野知
住所:熊本県熊本市中央区新町4-4-7
HP:http://www.pecoipm.com/

取材後記

最初はハブとマングースしか思い浮かばなかったのですが、「天敵」という言葉を辞書で調べると、ほぼ最初に「害虫防除に活用」というニュアンスが書かれています。農業界では30年以上前からある“かなり普通”の技術だそうなのですが、全く知らなかった己の無知を思い知らされました。
天敵は決して体に良くない農薬散布を激減させる“救世主”といって過言ではありません。しかし生き物はデリケートです。昨日は元気だった虫が突然全滅することだってありえます。
実際に今年の夏は相当暑かったためか、8月下旬にタバコカスミカメの数が激減。浦野さんらスタッフは自社のクレオメハウスはもちろん、交流ある農家などに虫を譲ってもらうなど昼夜全力で虫を捜索・捕獲する日々だったようです。
他にもクレオメの育て方とか天敵は増えすぎてもいけないとか、いろいろ課題はあるのですが、浦野さんが夢見る天敵活用センター構想が実現したならば、解決の糸口が見つかるかも。
とにかく初めて知ることばかりで勉強になりました。それと何人かが「虫のイラストは逆印象になるかも」と言われていましたが、いつか安心安全の「天敵印」がついた野菜をスーパーで買う日が来ることを願っています。
 

(RKK熊本放送 /北山 周平)

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