日本で介護施設長になったネパール人 最初は「なんしようと?」にとまどった
深刻な人手不足に陥っている介護業界。福岡県内の介護施設では、ネパール人の施設長が誕生しました。外国人が施設長になるのは珍しいケースだということで、「ロールモデルになりたい」と奮闘しています。
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32歳、9年前に来日し介護の道へ
特別養護老人ホームみなかぜ チャウダリ・サロジ施設長
「コロナがまた増えだしていますので今一度気を引き締めて消毒、うがい」
福岡県糸島市の特別養護老人ホーム「みなかぜ」。朝礼であいさつをしているのは、ネパール人のチャウダリ・サロジさん(32)。10月から施設長を務めています。
特別養護老人ホームみなかぜ 施設長 チャウダリ・サロジさん
「家族からも安心してもらえる、自分のお父さんお母さんが『みなかぜ』にいてよかったと思ってもらえるような場所をつくっていきたい」
9年前にネパールから来日したサロジさん、職場見学の際に高齢者から言われた「ありがとう」の言葉に感動し、介護の道に進みました。
「美人さんやけんね」方言の壁も克服して会話
今では、施設長を任されるまでになったサロジさんですが、働き始めた当初は、言葉の壁にぶつかりました。特に戸惑ったのが福岡の方言でした。
特別養護老人ホームみなかぜ 施設長 チャウダリ・サロジさん
「『何をしていますか』と習っていたはずなのに、『なんしようと?』っていわれて『ちょっとすみません、分かりません。もう一度お願いします』って」
忙しい中でもサロジさんが大切にしているのがひとりひとりとの会話。今では、方言混じりで優しく話しかけています。
入所者に話しかけるチャウダリ・サロジさん
「モデルさんやけんね。美人さんやけんね」
「笑顔がかわいいね、いつも笑顔だもんね」
心と心でコミュニケーション
特別養護老人ホームみなかぜ前施設長 中村浩さん
「外国人は言葉の面で、最初通じにくかったことを経験しているからこそ、心と心でコミュニケーションをとろうとしている。そこが私たち日本人にはないところなのかなと思います」
サロジさんの同僚
特別養護老人ホームみなかぜ 職員 宮崎沙子さん
「本当に日本語も上手で漢字も読めて本当に勉強熱心な方だなと思っています」
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この記事を書いたひと
若松康志
1999年生まれ、鹿児島県出身