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日本で介護施設長になったネパール人 最初は「なんしようと?」にとまどった

深刻な人手不足に陥っている介護業界。福岡県内の介護施設では、ネパール人の施設長が誕生しました。外国人が施設長になるのは珍しいケースだということで、「ロールモデルになりたい」と奮闘しています。

「ロールモデルになってほしい」

優しい人柄や責任感を買われ、施設長に抜擢されたサロジさん。この施設を運営するグループでは外国人が施設長になるのはサロジさんが初めてで、全国的に見ても珍しいということです。

 

 

社会福祉法人今山会 朝野愛子統括施設長
「ロールモデルになってほしいという思いがあります。やはり自分は外国人だからという意識がどこかにあるんですね。チャンスを与えたいし、それがみんなのモチベーションになればいいなと思っています」

 

 

特別養護老人ホームみなかぜ 施設長 チャウダリ・サロジさん
「外国の方にもちゃんと頑張ればチャンスもあるし上にあがれるという気持ちをもってもらいたい。私も見本になれたらいいなと思って施設長を志望していました」

介護に従事する外国人は年々増加

 

厚生労働省によりますと日本で介護の仕事をしている外国人は年々増えています。サロジさんのように国家資格を取得し在留資格「介護」で働く人が、約6000人、「特定技能外国人」や「技能実習生」、「EPA介護福祉士・候補者」をあわせるとその数は4万6000人に上ります。

介護職員はまだ足りない

 

介護を必要とする要介護認定者に対し、介護職員の数は足りません。2021年度、要介護認定者の688万人に対し、介護職員は215万人でした。介護の現場は、海外からの人材がいなければ立ちゆかない状況です。この施設を運営するグループでも10年ほど前から外国人を採用していて、現在は、サロジさんを含め、28人が働いています。

社会福祉法人今山会 朝野愛子統括施設長
「私自身も十数年前はまさか今これほど人材不足になるとは思っていませんでした。状況を予測して今のうちから動いていこうというのが法人の方針だったんです」

「できるようになる」様子にやりがい

サロジさんは、「できなかったことができるようになる」入所者の様子を間近で見守れることにやりがいを感じているといいます。

 


特別養護老人ホームみなかぜ 施設長 チャウダリ・サロジさん
「もうすぐおやつの時間だからね、もう少ししたら起きてもらおうかな、きょうは賑やかだね」

世界が経験したことがないスピードで少子高齢化が進む日本。国籍を超えてサロジさんのような人材を育成し正当に評価していくことが、今後、ますます重要となっていきます。

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この記事を書いたひと

若松康志

1999年生まれ、鹿児島県出身