秋なのに・・・緑が映える庭園や色鮮やかな魚が泳ぐ海 美しい自然の影で進む温暖化 カメラが捉えた30年の変化
記録的な高温となった今年の夏。秋になってもなかなか気温が下がらない日が続きました。自然界で進む「異変」は、木々の色づきや海を泳ぐ魚たちにもあらわれています。この30年に起きた変化をカメラが捉えていました。
目次
玄界灘に熱帯魚が泳ぐ 産卵も
変化が起きているのは陸上だけではありません。国の天然記念物に指定されている唐津市の「七ツ釜」では…
RKB今林隆史記者
「こちら七ツ釜周辺の海にも異変が起きているということです。いったい何が起きているのでしょうか」
潜ってみると海底付近には・・・
RKB今林隆史記者
「イソギンチャクの間から姿を見せているのは熱帯魚のクマノミです」
暖かい海を好み映画の主人公にもなった熱帯魚・クマノミが住み着いていました。
RKBのカメラが玄界灘で最初にクマノミを撮影したのは2004年。2016年にはそのクマノミが唐津市沖で冬に姿を消さず越冬していたことが確認されました。今では玄界灘で産卵して成長する世代交代を繰り返しています。
唐津市沖でクマノミが最初に見つかったのは馬渡島。対馬暖流に乗るように隣の松島でも見られるようになり、ついに去年、本土側の七ツ釜まで生息域を拡大したのです。
「一面がクマノミ天国だ」
唐津の海を見つめてきたダイバーは、ここ数年玄界灘が激変していく様子を目の当たりにしています。
唐津マリンスポーツクラブ 浪口知記さん
「昔は、見つけたら『ここにいたよ!』って言うくらい貴重なクマノミだったんですけど、今はもう、そっちもこっちもって数えられないぐらい、もう本当そこ一面がクマノミ天国っていうような南の雰囲気の海になってしまいました」
海藻が姿を消した かわりに現れたサンゴの仲間
数年前までは生い茂っていた海藻が姿を消し、サンゴの仲間がどんどん増えています。
RKB今林隆史記者
「あたり一面イソギンチャクが広がっていますが、さまざまな大きさのクマノミの姿を確認することができます」
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この記事を書いたひと
今林隆史
1976年生まれ 福岡市出身 政治・経済などのニュース取材に加え、ドキュメンタリー番組の制作にも携わる。第58次南極観測隊に同行。JNNソウル特派員として韓国の大統領選挙(2022)などを取材。気象予報士・潜水士の資格を有し、環境問題や防災、水中考古学などをライフワークとして取材する。 番組「黒い樹氷~自然からの警告~」で科学技術映像祭 内閣総理大臣賞(2009)、「甦る元寇の船~神風の正体に迫る~」同映像祭 文部科学大臣賞(2013)など受賞。