年末が押し迫ってきました。きのうは冬至、あさってはキリストが生まれたことを祝うクリスマスですが、実はキリストの誕生日ではないのだそうです。
聖書には、キリストの誕生日の記述はありませんが、「野宿していた羊飼いが天使からイエス様の誕生を知らされた」とあります。つまり、キリスト誕生は、羊を放牧できるもっと暖かい季節だったと考えられているのです。
では、なぜ12月25日がキリストの誕生日になってしまったのでしょうか。日本でいう「冬至」が大きく関係しています。昔の人々は、どんどん太陽が出る時間が短くなっていくのを、恐怖を感じながら見守っていたのではないでしょうか?「太陽が全く出ず、暗闇の世界になってしまうのでは⁉」。ところが、冬至のころを境に、逆に日が延び始めたため「一陽来復」と喜び、冬至直後の12月25日を、希望の光をもたらしたキリストの誕生日と定めたのだそう。
ちなみにクリスマス・イブの「イブ」とは「前日」ではなく「夜」の意味。昔のキリスト教の暦では日没を境に日付が変わったので、24日の夜はクリスマスのイブ(夜)となるのです。なので、23日のことを、クリスマス・イブイブと言うのは、ちょっと違いますね!
龍山康朗=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2023年12月23日掲載
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