正月の雑煮に入れる具材といえば、何を思い浮かべるでしょうか。大根、にんじん、かまぼこ。鶏肉を入れる地域と、代わりに魚介を入れる地域もあるでしょう。ところで、福岡市などで親しまれている「博多雑煮」には、「かつお菜」という野菜が定番で入ります。福岡県外ではほとんど流通していないこの野菜、いったいどんな野菜なのでしょう?
博多雑煮の定番具材「かつお菜」とは?
「博多雑煮」は、ブリやかまぼこなど比較的多くの具材が入っているのが特徴です。福岡市博多区にある雑煮専門店の代表は「具材に決まりはない」と言いながらも、定番で入れる具材があるそうです。
雑煮のせき亭 関健太郎代表「何を入れてもいいと思っているんですけど、やっぱり入れていないと怒られるのがかつお菜ですよね」
「かつお菜」。福岡県外の人にはなじみの薄い野菜ではないでしょうか?かつお菜はアブラナ科の葉野菜で、福岡市を中心に糸島市、北九州市など福岡県内各地で生産されています。福岡市の農林水産局によると、栽培が始まったのは江戸時代中期ごろ。旨味成分であるアミノ酸が豊富に含まれていて、「かつお出汁がなくても美味しい」という意味でこの名前が付けられたということです。漢字では「勝男菜」と書くことから、縁起物として正月に使われるようになり、江戸時代からすでに「博多の雑煮の定番になっていた」という説もあります。高菜とよく似た野菜ですが、辛味は無く、旨味が強いのが特徴です。
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この記事を書いたひと
小松勝
1991年生まれ。福岡県福岡市出身。