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エコでタフ!破竹の竹紙物語

竹林面積全国1位の鹿児島県。その広さは約1万8000haに及ぶ(2018)。
竹は身近な存在としてさまざまな製品に活用されてきたが、プラスチック製品に押され需要は減少。繁殖力の高い竹がぐんぐん伸びる一方、竹林は放置され荒廃を招いている。


その竹の新たな活用法を拓いているのが鹿児島県日置市の印刷会社「協業組合ユニカラー」。企業として、何か地域貢献をしたいと考えていた代表の岩重昌勝さん(63)は、日本で初めて“竹100%の紙”を製造した「中越パルプ工業 川内工場」から商品開発の話を受け、ノートや便箋、さらには試行錯誤の末『竹紙ストロー』を商品化した。


「竹クズを竹財に変えることで、竹の需要を掘り起こし、自然環境を守ることにつなげられれば」と岩重さんは話す。


2023年にはインキ会社と共同で日本初の「バンブーインキ」を開発。竹くずを炭化加工したものを原料とすることで、石油を使う割合を減らすことにも成功。CO2も削減でき、さらなる竹の有効活用につながっている。竹の付加価値を高めて竹林を救い、SDGsへの一手を担う印刷会社の挑戦を追う。

会社名:協業組合 ユニカラー
代表者:理事長 岩重昌勝さん
住 所:鹿児島県日置市伊集院町郡2042-39

電 話:099‐813-7213

取材後記

「竹」の撮影が多かったので、正月の「門松」にも反応してしまいました。竹は成長が速くまっすぐ育つので、生命力や長寿、繁栄を象徴するものとして飾られているそう。どのくらい速いかと言うと、1日に1m以上(!?)伸びた記録もあるそうです。

 

しかし、成長が速いがために問題となっている放置竹林の拡大。土砂災害などを引き起こす危険性もあるそうです。そんな放置竹林問題を印刷会社らしく解決していこうと、竹紙ストローやバンブーインキなどを生み出しているユニカラー。捨てる予定であったものに手を加え、価値をつけて新しい製品へと生まれ変わらせる「アップサイクル」という考えのもと、製品づくりに取り組んでいるそうです。

 

『捨てればゴミ、いかせば資源』という標語がありましたが、モノのイメージにとらわれることなく、しっかりと向き合ってアイデアを出せば、みんなにとって良い結果を生むことができるのだなと今回の取材で感じました。まだまだ「竹」の秘めた可能性を引き出そうとチャレンジするユニカラー。これからの取り組みにも注目です!

 

(MBC南日本放送 / 吉村 博徳)

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