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微妙な風向きのズレで北九州市に“強い風”…ツルツルの路面凍結が目立ったメカニズム【気象予報士の解説】

風速が20メートルを超えたのは主要地点で「北九州市だけ」だった


気象条件を、福岡県・佐賀県の主要地点と比較してみます。(いずれも24日午前9時までのデータ)

地点:雨量(ミリ)*最も多い地点、最低気温(℃)*最も低い地点、最大瞬間風速(m)*最も強い地点

北九州市:1.0、-0.8、20.6
福岡市:0.5、0.1、17.0
飯塚市:0.5、-1.6、14.3
久留米市:1.0、-2.2、11.4
佐賀市:1.5、-1.2、15.7

雨量が0.5ミリでも路面凍結することはありますので、凍結につながったのは、気温と風速だと思われます。気温が氷点下で、風速が20メートルを超えたのは、北九州市のみでした。路面凍結が多発した要因の一つはこの風の強さだと考えられます。気象台も、北九州地方の風の強さを認識し、「暴風雪警報」を最後まで解除しませんでした。(解除は、九州北部で最も遅かった)
 

いつもの冬型とは違う「西北西」の風が、“強い風”をもたらした


では、北九州市の風が強くなった要因は何なのでしょうか?ずばり「風向き」と考えられます。よく「九州北部は朝鮮半島の陰になって雪が降りにくい」と言われます。その通り、典型的な冬型になって吹く北西の風の場合、朝鮮半島があるため、その風が海を渡る距離(吹走距離)が短くなり、風速が弱まる傾向です。ところが、今回の寒波では主要な風向きが西北西でした。そうすると、北九州地方に流れ込む風の通り道は、朝鮮半島と済州島の間で、吹走距離が長くなって、強い風が北九州に流れ込むのです。この微妙な風向きの変化が、どこで雪が多くなり、どこで凍結が起こるかに関わってくるのです。

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