“想定をはるかに超える”ドクターヘリ要請…災害派遣医療チーム=DMATとして2週間被災地で活動した救急医療のスペシャリストが直面した現実
元日に発生した能登半島地震から日で1か月半あまり。福岡の救急医療の最前線で診療する医師も災害派遣医療チーム=DMATの隊員として被災地に入り2週間にわたって医療支援に奮闘しました。
予想をはるかに超える搬送依頼…経験の継承も課題
搬送を必要とする患者数が予想をはるかに超えたうえ、雪の影響でへリが飛べる時間は限られました。できるだけ多くの患者を運ぶためには、医療チーム、自衛隊、消防などの密な連携が必要不可欠だったといいます。
久城正紀医師「行先を見つけるだけなら病院にOKをもらえればいいですけど、まずヘリが降りられる場所を見つけないといけない。地理的なところを自衛隊さんと、病院に近くに降りれるとこはここだよね、と。普段ヘリポートではないグランドとかに降りますのでそこの安全の確認をしないといけないので、消防さんに協力しもらいます。そこから降りた後病院までに陸路で運ぶので消防さんの救急車とかDMATの車両とかそういった形になる」
震災発生直後は、緊急手術の必要な負傷者や、出産が必要な患者などを運びました。その後は、ライフラインである水や電気が長期間復旧せず、被災地内の病院の診療機能が低下したことで入院患者を運ぶミッションが増えていきました。久城医師は2週間にわたって空路搬送の調整に携わり、福岡に戻りましたが、大規模地震が起きた際に「医療現場の対応を円滑に進めるのは難しい」と話します。
久城正紀医師「実際に起きてすぐ動けるかってなると、やはり経験したことのないことがおきます。今回、我々が空路調整の大きいミッションをしたのが、東日本、熊本についで3回目になりますので、こういう経験をもとに訓練をしたり周知していくことをしないと、迅速な対応はやはり難しいと思います」
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