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チーズの副産物でおいしい鍋を!

チーズやヨーグルトを作る際に副産物として生成されるホエイ。炭水化物・たんぱく質・カルシウムなどの栄養成分が豊富で、プロテインの原材料として活用されている一方、乾燥などの加工に必要な機械は数千万円と高額で、購入する余裕がない事業者が多く、宮崎県内ではそのほとんどが廃棄されていた。

 

そんなホエイの活用へ動き出したのが、乳製品をこよなく愛するアリマン乳業の三浦崇代表(36)。「フードリバイブ」というプロジェクトチームを立ち上げ、老若男女に人気な「鍋の素」を生み出した。ホエイと同じく、活用に悩んでいた干しシイタケの戻し汁を合わせ、トマトで味を調えた鍋の素は、牛乳が苦手な人にも好評だという。

 

今までホエイの廃棄ロスをチーズ価格に上乗せしていたが、再利用をすることで、チーズもより安価で流通することができる可能性も秘めた鍋の素。常温保存が可能な商品に加工できたことで、今までの乳製品にはない広がりが生まれた。廃棄物が食卓の主役へとよみがえり、世界へ広がる!

会社名:アリマン乳業有限会社
代表者:三浦 崇さん

住 所:〒889-1302 宮崎県児湯郡川南町大字平田1238

電 話:0983-27-3513
ホームページ:https://aliment-milk.stores.jp/

取材後記

ヨーグルトを冷蔵庫で保存し、次の日食べるときに蓋を開けると、必ずといっていいほど現れる液体。なんとなく捨ててしまっていた謎の液体が、実は栄養満点だということ。そして、その多くがチーズなどの製造過程でもほぼ廃棄されているという世界的な問題があること、それをどうにかしようと奮闘している人が宮崎県にいること。それを知ったのが、取材をスタートしたきっかけでした。

 

今回スポットを当てた、アリマン乳業の三浦代表は、乳製品の話をすると途端に目が輝き、言葉の節々に熱い思いが溢れる溢れる…!その愛は、酪農家が自分たちよりも牛乳愛がすごいと太鼓判を押すほど。乳製品をこよなく愛するからこそ、「酪農家と消費者をつなぐ架け橋になること」を一番に考え続けるからこそ、生乳の一部を廃棄しなければならなかったことに憤りを感じていたと話します。

 

そんな三浦代表が、新たな仲間とともに作り出した「鍋のもと」。ホエイのさわやかなチーズ風味と、シイタケのうまみ、トマトの酸味がバランスよく混ざり合っていて、いままでにない新しい味が誕生しました。野菜はもちろん、パンにもご飯にもパスタにも合います。今後、世界へ販路を拡大していきたいと話す三浦代表の次の挑戦がとても楽しみです!

 

(MRT宮崎放送/寺坂 穗乃香)

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