イタリア産の生ハムが買えない?! 静かに広がる“アフリカ豚熱”クライシス 検疫のプロは「ウイルスが近づいてきている」と危機感
豚やイノシシの伝染病「アフリカ豚熱」がアジアなどで猛威をふるっています。日本での感染例はありませんが、海を挟んだ隣国の韓国・釜山では感染が確認されていて、警戒感が高まっています。
生ハム専門店
RKB 若松康志記者
「こちらのショーケースにはスペイン産、フランス産の生ハムが陳列されています。しかし、ある国で作られている生ハムの入荷が止まっているということです。」
福岡県北九州市にある生ハムの専門店「デリカコッタ」。入荷ができなくなっているのは、イタリア産の生ハムです。イタリアで「アフリカ豚熱」の感染が確認されたことによる影響です。
「アフリカ豚熱」は、豚やイノシシが感染する伝染病で、人が感染する恐れはありませんが、ワクチンや明確な治療法が確立されていません。感染力も強く、致死率もほぼ100パーセントとなっています。3月14日時点で日本での感染例は確認されていませんが、アジアやヨーロッパなどで感染が拡大しています。こうした影響で、豚肉と生ハムやソーセージなどの加工品の輸入が停止するケースが相次いでいて、イタリアからの輸入もおととし1月からストップしています。
デリカコッタ オーナーの瀧本博通さん
「大半の商品がイタリアからだったのでそれが入らないとなると、主力商品なので死活問題でした」
この専門店によると、取り扱うイタリア産の生ハムは、「塩味がマイルドで、香りもやさしい。子供から大人までたのしんでもらえる。果物や野菜との相性もいい」。 一番の人気商品で、販売する商品の8割以上を占めていたということです。入荷がなくなったイタリア産に代わり、現在はフランス産やアメリカ産の生ハムを取り扱うことで、店内から商品がなくならないよう対応しています。
デリカコッタ 伊藤美奈さん
「これだけ停止期間が長くなると、お客さんから『イタリア産生ハムが懐かしいよね、まだかね』と言われます」
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