株式会社加藤ゼミナール
不合格経験者の回答から見えた、予備試験天王山の対策のポイント
株式会社加藤ゼミナール(本社所在地:東京都港区、代表取締役:加藤 喬)は、司法試験予備試験に最終合格した方を対象に、「予備試験論文式試験」に関する調査を実施しました。
弁護士や裁判官、検察官になるためには、国家試験である「司法試験」に合格する必要があります。
その司法試験の受験資格を得る方法の1つとして、「予備試験(司法試験予備試験)」に合格するルートがあります。
予備試験には受験資格がなく、法科大学院に通って授業を受けなくても司法試験受験にチャレンジできるため、大学生や社会人から近年注目が高まっています。
2023年からは、大学法学部と法科大学院を最短5年で修了することができる「法曹コース」が認められたうえ、法科大学院在学中に司法試験を受験できるようにもなりました。
これにより、司法試験を受験するためのルートは「予備試験ルート」「法科大学院ルート」「法曹コースルート」の3つになりましたが、司法試験の合格率は「予備試験ルート」の方が法科大学院を選んだ方よりも高いという結果が続いています。
予備試験に最終合格し、司法試験の受験資格を得るためには、短答式試験(7月中旬)と論文式試験(9月上旬)、口述試験(翌年の1月)の3つの試験に合格する必要があります。
予備試験の最終合格率は約4%で、一次試験である短答式試験の合格率は約20%、二次試験である論文式試験の合格率は20%弱です。口述試験の過去3年の合格率は98%を超えているため、一次試験である短答式試験の合格者(合格率20%程度)によって競われる論文式試験が「予備試験において最も合格難易度が高い試験」と考えられています。
「予備試験ルート」で司法試験を目指すための天王山である論文式試験。
その合格のポイントはどこにあるのでしょうか。
今回、司法試験・予備試験のオンライン予備校『加藤ゼミナール』(https://kato-seminar.jp/)を運営する株式会社加藤ゼミナールは、司法試験予備試験に最終合格した方を対象に、「予備試験論文式試験」に関する調査を実施しました。
<調査概要>
調査概要:「予備試験論文式試験」に関する調査
【調査期間】2024年9月6日(金)~2024年9月9日(月)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】220人
【調査対象】調査回答時に司法試験予備試験に最終合格したと回答したモニター
【調査元】株式会社加藤ゼミナール(https://kato-seminar.jp/)
【モニター提供】PRIZMAリサーチ
論文式試験の難しいところは「採点基準の非公開」が最多!予備試験の天王山をアンケート結果から読み解く
はじめに、「予備試験論文式試験には何度目の試験で合格しましたか?」と質問したところ、『1回目(21.8%)』『2回目(50.5%)』『3回目(16.8%)』『4回目以降(10.9%)』と、約2割の方が1回目、約半数の方が2回目、約2割の方が3回目の受験で合格していることが明らかになりました。
次に、「論文式試験の難しいところは次のうちどれだと思いますか?(近いと思うもの3つを選択)」と質問したところ、『採点基準が公開されておらず、絶対の正解がない(65.0%)』と回答した方が最も多く、次いで『問題の難易度が高い(56.8%)』『科目ごとに頭の使い方や対策が違う(47.3%)』『周りのライバルのレベルが高い(46.8%)』『1科目あたり70分ほどと答案作成のための試験時間が短い(45.9%)』となりました。
記述形式で、少人数の司法試験委員によって採点される論文式試験では、法的知識を具体的な事例問題にあてはめて妥当な結論を導くことができるかどうかが試されます。
配点は法律基本科目7科目・法律実務基礎科目2科目・選択科目1科目の計10科目、各科目50点の500点満点で、令和5年の論文式試験の平均点は201.95点、合格点は245点以上です。合格点としては全体の半分ほどの得点ではあるものの、論文式試験は採点基準が公開されていないために絶対的な正解や対策方法がなく、勉強の方向性を掴みにくいことが論文式試験に対する受験生の不安を大きくしているようです。
その上でさらに、問題の難易度が高いこと、科目ごとに頭の使い方や対策が違うことといった項目が上位にきていることからも、予備試験論文式試験は「正しい方向性で知識を広く、かつ、深く備える必要がある試験」だということが言えそうです。
貴重な論文不合格者の声。論文式試験不合格の原因と、合格時の改善ポイントは?
ここからは、論文式試験に1回目で合格できなかった経験がある方にうかがいました。
「論文式試験に不合格になった原因は次のうちどれですか?(近いものを最大3つまで選択)」と質問したところ、『試験科目が多く手が回らなかった科目があった(44.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『直前期(短答式試験後の約2ヶ月)の追込が不足してしまった(40.7%)』『本試験で時間がたりず試験時間内に答案を書ききれなかった(37.8%)』となりました。
試験科目が多く手が回らない科目があったことや、短答式試験と論文式試験の間の約2ヶ月での追込不足が不合格の原因だと感じた方が多いようです。実際に短答式試験の合格者向けに実施したアンケートでは、「予備試験に最終合格した年にも75%が短答式試験に手応えを感じていながら、半数近くがすぐには論文式試験の勉強に取り掛かれなかった(※1)」という結果が出ており、論文式試験では、一次試験である短答式試験に向けた勉強とのバランス調整が難しいことに加えて、短答式試験後にもう一度計画と気持ちを作り上げて追込みをかける必要があるという、二次試験ならではの厳しさも窺える回答結果となりました。
次に、「予備試験論文式試験に不合格だった年と最終合格をした年を比較すると、論文式試験の合格に繋がった要素は何だと思いますか?(近いものを最大3つまで選択)」と質問したところ、『不合格年の採点・評価を通じて、合格に必要な対策を掴み、実践できた(50.0%)』と回答した方が最も多く、次いで『本試験での経験を通じて、時間管理や得点最大化の方法など戦略的な意識が高まった(43.6%)』『不合格年と異なり、論文の勉強時間を確保することができた(42.4%)』となりました。
ここでは、本試験を経験することで課題を掴めたことが論文合格の非常に大きな要因となっていることがわかります。「採点基準が公開されておらず、方向性が見つけづらい」という論文式試験の難関ポイントに対して、有利な経験ができたことが合格に寄与したと考えられます。同様に、時間管理や得点の最大化といった、知識のブラッシュアップとは異なる「出口戦略」としての意識が高まるという点でも本試験を経験することにメリットがあったと言えそうです。
※1:2024年7月PRIZMAリサーチ調べ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000133722.html
合格者が感じた予備試験論文の合格ラインは?また、合格者の過去問の重要性や暗記の必要性をどう振り返る?
続いて「合格してみて、予備試験の天王山と言われる論文式試験の合格ラインについての感想に最も近いものはどれですか?」と質問したところ、以下のような回答結果になりました。
『合格ラインは非常に高いところにあり、論文式試験には完璧な対策が求められる(26.4%)』
『合格ラインは高いところにあるが、しっかりとした応用力を備えることでクリアできる(49.1%)』
『合格ラインは思っていたほどは高くなく、盤石の基礎力を備えることで十分に合格可能性はある(21.8%)』
『合格ラインは高くなく、知識不足、対策不足でも短答式試験さえ突破すれば合格可能性がある(2.7%)』
「論文式試験の合格にはしっかりとした応用力」が必要と考える半数の方を中心に「完璧な対策が必要」「盤石の基礎力が必要」と考える方が概ね同じくらい分布しており、合格者が論文式試験合格のためには、論文対策をしっかりと、高いレベルでやり切ることが重要だと考えているという結果となりました。
次に、「合格後に振り返ると論文式試験における過去問活用の重要性について、どのように考えますか?最も近いものを選んでください」と質問したところ、以下のような回答結果になりました。
『過去問の活用は本番想定の演習を行うためのものとして重要である(35.5%)』
『過去問の活用は基礎力をどの程度つけるかというゴールを知るために重要である(28.2%)』
『過去問の活用は出題傾向などを知るための分析的な観点から重要である(23.6%)』
『論文式試験の対策として過去問には取り組んだが、あまり重要だとは思わない(9.5%)』
『論文式試験の対策として過去問にはあまり取り組まなかったし、あまり重要だとは思わない(3.2%)』
合格者のうち9割弱が合格のために過去問を活用することは重要だと考えていることがわかりました。過去問の活用がどの点において重要かという部分については突出した項目はなかったものの、過去問から「合格に必要な知識の量や深さ」「出題傾向や知識の問われ方」を掴み、繰り返し過去問を解いて「時間内に合格答案を書く」ための実践的なトレーニングを行うことで合格に近づけると言えそうです。
最後に、「思考力が必要と言われる論文式試験においても暗記は重要だと思いますか? またその理由に最も近いものはどれですか?」と質問したところ、以下のような回答結果になりました。
『答案作成の時間を短縮するための方法として、論証ブロックのような一定分量での暗記は重要(41.8%)』
『必須知識としての定義や規範を正確に覚えていないと得点がつかないので暗記は重要(25.9%)』
『本試験というよりは、日頃の学習内容の理解や効率化のために一定の暗記が重要(25.0%)』
『暗記は短答式試験において重要であり、論文式試験対策としては重要ではない(4.6%)』
『短答式試験を含む予備試験全般において暗記は重要ではない(2.7%)』
実に93%の合格者が、思考力が求められる論文式試験においても、暗記は重要だと振り返っていることがわかりました。合格者が「答案上に正確な知識を反映しないと得点できない」という暗記の一般的な役割にとどまらず、「答案作成の時間短縮につながる」「日頃の学習内容の理解や効率化につながる」ことも暗記と向き合うメリットだと考えていることがわかる印象的な結果となりました。
論文式試験合格のために予備校に通うメリットがあると思う受験生は非常に多い!そのメリットとは
「論文式試験の対策として予備校を使うメリットはあると思いますか?」と質問したところ、『あると思う(55.4%)』『ややあると思う(42.3%)』『そうは思わない(2.3%)』という回答結果になりました。
「あると思う」「ややあると思う」と回答した方を合わせると、ほとんどの合格者が予備試験論文式試験において、予備校を利用するメリットを感じているようです。
次に、「論文式試験の対策として予備校を使うメリットが大きいと思うものは次のうちどれですか?(複数回答可)」と質問したところ、『論文式試験の出題傾向や点の取り方などの分析情報を教えてもらえる(52.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『論文式試験合格に必要な知識を絞ってくれるのでコンパクトに勉強ができる(34.0%)』『効率的な勉強方法を教えてもらえる(33.5%)』となりました。
予備校を利用することによって、分析情報を教えてもらえたり、必要な知識を絞り込んでもらえたりと効率的に対策ができることから、論文式試験の対策として予備校の利用は必要だと強く感じている状況がうかがえます。
まとめ:論文式試験の難しさは「採点基準が公開されていないため絶対の正解がない」こと!合格するためには十分な対策が必要
今回の調査結果で、予備試験合格者の予備試験論文式試験の対策方法や、論文式試験がうまくいかなかった年の経験についてが明らかになりました。
予備試験論文式試験は、採点基準が公開されておらず、絶対の正解がないことや問題の難易度が高いこと、科目ごとに頭の使い方や対策や時間配分が違うといったことから難しさを感じている方が多いことが判明しました。
また、論文式試験がうまくいかなかった原因として、科目数が多いことから直前期の追込みが不足してしまったことや、試験時間内に答案を書ききれなかったことをあげた方が多く見られました。
論文式試験がうまくいかなかった年と最終合格した年を比べると、本試験の経験を通じて合格に必要な対策が掴めたり、時間管理や得点最大化の方法など戦略的な意識が高まったりしたことが合格に繋がったと感じているようです。
予備試験の天王山である論文式試験にはしっかりとした応用力を備えるために、過去問を活用して試験の出題傾向や求められる基礎知識の量を掴み、タイムマネジメントも意識しながら学習を進める必要があること、また、それにはしっかりと暗記と向き合うことが必要だということがわかりました。
受験生の多くが、採点基準の不透明さや時間不足に苦しんでおり、それを克服するための方法として、予備校や過去問を活用することが非常に効果的であると感じていることから、バランスよく取り入れることが合格への近道であると言えます。
司法試験・予備試験対策なら『加藤ゼミナール』
今回、「予備試験論文式試験」に関する調査を実施した株式会社加藤ゼミナールは、司法試験・予備試験のオンライン予備校『加藤ゼミナール』(https://kato-seminar.jp/)を運営しています。
■加藤ゼミナールについて
加藤ゼミナールは、司法試験・予備試験のオンライン予備校です。
創業理念は、オンライン予備校で良質な講座を適正価格で提供させていただくことにより、誰しもが居住地や所属にかかわらずに良質な法曹教育を受けられるようにすることで、法曹教育の機会均等を図って優秀な法曹を輩出し、ひいては法曹サービスを享受する社会全体に貢献することにあります。
代表を務める加藤喬講師(弁護士)は、総合39位・労働法1位で司法試験に合格し、7年にわたる予備校講師活動を経て、法曹教育の機会均等と真の合格実績の実現を理念として加藤ゼミナールを設立しました。
■実績
令和5年司法試験の合格者数212名
加藤ゼミナールでは、令和4年司法試験では有料講座の受講者様から110名の合格者を輩出し、令和5年司法試験では合格者数を212名まで伸ばすことができました。
基本7科目の講座では、総合1桁~10位台の超上位合格者を複数名輩出するとともに、総合2桁台の上位合格者を20名以上輩出。労働法の講座では、1位合格者、2位合格者を連続して輩出しています。経済法の講座では、開講1年で6位合格者を輩出しました。
■3つの特徴
1.経験と実績が豊富な一流の講師陣
最高峰のオンライン講義をいつでも・どこでも
加藤ゼミナールでは、経験と実績が豊富な講師が自らの得意とする講義を担当しているため、一つひとつの講義の質が非常に高いです。また、オンライン予備校であるため、経験と実績が豊富な講師陣による最高峰の講義をいつでも・どこでも受けることができます。
・講師のプロフィールはこちら:https://kato-seminar.jp/lectures/
2.完全オリジナルテキスト
講師作成の完全オリジナルテキストにより学習効果を最大化
加藤ゼミナールでは、全てのテキストを、上位合格者である講師が徹底したリサーチに基づいてイチから作成しているため、最高峰の品質を保つことができています。
この点が加藤ゼミナールの最大の強みであり、テキストの品質の高さは大変多くの合格者・受験生の方々から支持されています。
・サンプルテキストはこちら:https://kato-seminar.jp/original-text-2/
3.低価格&効率化
オンライン予備校だからできる! 効率的な学習を低価格で提供
オンライン予備校の最大の利点は、いつでも・どこでも講義を受講できる『学習の効率化』にあります。
加藤ゼミナールは、高品質で効率化された学習環境を低価格で提供し、多くの方々の司法試験・予備試験受験を支援することで、『法曹の多様性の確保・向上』という司法制度改革の目的に寄与していきます。
<無料体験講座>
加藤ゼミナールの講座を無料で体験受講していただけます。
https://kato-seminar.jp/taiken/
加藤ゼミナールでは、お問い合わせ・ご質問・受講相談/ご意見・ご要望を随時お受けしております。
お気軽にお問い合わせください。
■加藤ゼミナール:https://kato-seminar.jp/
■受講相談はこちら:https://kato-seminar.jp/online-meeting/
■資料請求はこちら:https://kato-seminar.jp/document_request/
■お問い合わせはこちら:https://kato-seminar.jp/support/
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不合格経験者の回答から見えた、予備試験天王山の対策のポイント
株式会社加藤ゼミナール(本社所在地:東京都港区、代表取締役:加藤 喬)は、司法試験予備試験に最終合格した方を対象に、「予備試験論文式試験」に関する調査を実施しました。
弁護士や裁判官、検察官になるためには、国家試験である「司法試験」に合格する必要があります。
その司法試験の受験資格を得る方法の1つとして、「予備試験(司法試験予備試験)」に合格するルートがあります。
予備試験には受験資格がなく、法科大学院に通って授業を受けなくても司法試験受験にチャレンジできるため、大学生や社会人から近年注目が高まっています。
2023年からは、大学法学部と法科大学院を最短5年で修了することができる「法曹コース」が認められたうえ、法科大学院在学中に司法試験を受験できるようにもなりました。
これにより、司法試験を受験するためのルートは「予備試験ルート」「法科大学院ルート」「法曹コースルート」の3つになりましたが、司法試験の合格率は「予備試験ルート」の方が法科大学院を選んだ方よりも高いという結果が続いています。
予備試験に最終合格し、司法試験の受験資格を得るためには、短答式試験(7月中旬)と論文式試験(9月上旬)、口述試験(翌年の1月)の3つの試験に合格する必要があります。
予備試験の最終合格率は約4%で、一次試験である短答式試験の合格率は約20%、二次試験である論文式試験の合格率は20%弱です。口述試験の過去3年の合格率は98%を超えているため、一次試験である短答式試験の合格者(合格率20%程度)によって競われる論文式試験が「予備試験において最も合格難易度が高い試験」と考えられています。
「予備試験ルート」で司法試験を目指すための天王山である論文式試験。
その合格のポイントはどこにあるのでしょうか。
今回、司法試験・予備試験のオンライン予備校『加藤ゼミナール』(https://kato-seminar.jp/)を運営する株式会社加藤ゼミナールは、司法試験予備試験に最終合格した方を対象に、「予備試験論文式試験」に関する調査を実施しました。
<調査概要>
調査概要:「予備試験論文式試験」に関する調査
【調査期間】2024年9月6日(金)~2024年9月9日(月)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】220人
【調査対象】調査回答時に司法試験予備試験に最終合格したと回答したモニター
【調査元】株式会社加藤ゼミナール(https://kato-seminar.jp/)
【モニター提供】PRIZMAリサーチ
論文式試験の難しいところは「採点基準の非公開」が最多!予備試験の天王山をアンケート結果から読み解く
はじめに、「予備試験論文式試験には何度目の試験で合格しましたか?」と質問したところ、『1回目(21.8%)』『2回目(50.5%)』『3回目(16.8%)』『4回目以降(10.9%)』と、約2割の方が1回目、約半数の方が2回目、約2割の方が3回目の受験で合格していることが明らかになりました。
次に、「論文式試験の難しいところは次のうちどれだと思いますか?(近いと思うもの3つを選択)」と質問したところ、『採点基準が公開されておらず、絶対の正解がない(65.0%)』と回答した方が最も多く、次いで『問題の難易度が高い(56.8%)』『科目ごとに頭の使い方や対策が違う(47.3%)』『周りのライバルのレベルが高い(46.8%)』『1科目あたり70分ほどと答案作成のための試験時間が短い(45.9%)』となりました。
記述形式で、少人数の司法試験委員によって採点される論文式試験では、法的知識を具体的な事例問題にあてはめて妥当な結論を導くことができるかどうかが試されます。
配点は法律基本科目7科目・法律実務基礎科目2科目・選択科目1科目の計10科目、各科目50点の500点満点で、令和5年の論文式試験の平均点は201.95点、合格点は245点以上です。合格点としては全体の半分ほどの得点ではあるものの、論文式試験は採点基準が公開されていないために絶対的な正解や対策方法がなく、勉強の方向性を掴みにくいことが論文式試験に対する受験生の不安を大きくしているようです。
その上でさらに、問題の難易度が高いこと、科目ごとに頭の使い方や対策が違うことといった項目が上位にきていることからも、予備試験論文式試験は「正しい方向性で知識を広く、かつ、深く備える必要がある試験」だということが言えそうです。
貴重な論文不合格者の声。論文式試験不合格の原因と、合格時の改善ポイントは?
ここからは、論文式試験に1回目で合格できなかった経験がある方にうかがいました。
「論文式試験に不合格になった原因は次のうちどれですか?(近いものを最大3つまで選択)」と質問したところ、『試験科目が多く手が回らなかった科目があった(44.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『直前期(短答式試験後の約2ヶ月)の追込が不足してしまった(40.7%)』『本試験で時間がたりず試験時間内に答案を書ききれなかった(37.8%)』となりました。
試験科目が多く手が回らない科目があったことや、短答式試験と論文式試験の間の約2ヶ月での追込不足が不合格の原因だと感じた方が多いようです。実際に短答式試験の合格者向けに実施したアンケートでは、「予備試験に最終合格した年にも75%が短答式試験に手応えを感じていながら、半数近くがすぐには論文式試験の勉強に取り掛かれなかった(※1)」という結果が出ており、論文式試験では、一次試験である短答式試験に向けた勉強とのバランス調整が難しいことに加えて、短答式試験後にもう一度計画と気持ちを作り上げて追込みをかける必要があるという、二次試験ならではの厳しさも窺える回答結果となりました。
次に、「予備試験論文式試験に不合格だった年と最終合格をした年を比較すると、論文式試験の合格に繋がった要素は何だと思いますか?(近いものを最大3つまで選択)」と質問したところ、『不合格年の採点・評価を通じて、合格に必要な対策を掴み、実践できた(50.0%)』と回答した方が最も多く、次いで『本試験での経験を通じて、時間管理や得点最大化の方法など戦略的な意識が高まった(43.6%)』『不合格年と異なり、論文の勉強時間を確保することができた(42.4%)』となりました。
ここでは、本試験を経験することで課題を掴めたことが論文合格の非常に大きな要因となっていることがわかります。「採点基準が公開されておらず、方向性が見つけづらい」という論文式試験の難関ポイントに対して、有利な経験ができたことが合格に寄与したと考えられます。同様に、時間管理や得点の最大化といった、知識のブラッシュアップとは異なる「出口戦略」としての意識が高まるという点でも本試験を経験することにメリットがあったと言えそうです。
※1:2024年7月PRIZMAリサーチ調べ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000133722.html
合格者が感じた予備試験論文の合格ラインは?また、合格者の過去問の重要性や暗記の必要性をどう振り返る?
続いて「合格してみて、予備試験の天王山と言われる論文式試験の合格ラインについての感想に最も近いものはどれですか?」と質問したところ、以下のような回答結果になりました。
『合格ラインは非常に高いところにあり、論文式試験には完璧な対策が求められる(26.4%)』
『合格ラインは高いところにあるが、しっかりとした応用力を備えることでクリアできる(49.1%)』
『合格ラインは思っていたほどは高くなく、盤石の基礎力を備えることで十分に合格可能性はある(21.8%)』
『合格ラインは高くなく、知識不足、対策不足でも短答式試験さえ突破すれば合格可能性がある(2.7%)』
「論文式試験の合格にはしっかりとした応用力」が必要と考える半数の方を中心に「完璧な対策が必要」「盤石の基礎力が必要」と考える方が概ね同じくらい分布しており、合格者が論文式試験合格のためには、論文対策をしっかりと、高いレベルでやり切ることが重要だと考えているという結果となりました。
次に、「合格後に振り返ると論文式試験における過去問活用の重要性について、どのように考えますか?最も近いものを選んでください」と質問したところ、以下のような回答結果になりました。
『過去問の活用は本番想定の演習を行うためのものとして重要である(35.5%)』
『過去問の活用は基礎力をどの程度つけるかというゴールを知るために重要である(28.2%)』
『過去問の活用は出題傾向などを知るための分析的な観点から重要である(23.6%)』
『論文式試験の対策として過去問には取り組んだが、あまり重要だとは思わない(9.5%)』
『論文式試験の対策として過去問にはあまり取り組まなかったし、あまり重要だとは思わない(3.2%)』
合格者のうち9割弱が合格のために過去問を活用することは重要だと考えていることがわかりました。過去問の活用がどの点において重要かという部分については突出した項目はなかったものの、過去問から「合格に必要な知識の量や深さ」「出題傾向や知識の問われ方」を掴み、繰り返し過去問を解いて「時間内に合格答案を書く」ための実践的なトレーニングを行うことで合格に近づけると言えそうです。
最後に、「思考力が必要と言われる論文式試験においても暗記は重要だと思いますか? またその理由に最も近いものはどれですか?」と質問したところ、以下のような回答結果になりました。
『答案作成の時間を短縮するための方法として、論証ブロックのような一定分量での暗記は重要(41.8%)』
『必須知識としての定義や規範を正確に覚えていないと得点がつかないので暗記は重要(25.9%)』
『本試験というよりは、日頃の学習内容の理解や効率化のために一定の暗記が重要(25.0%)』
『暗記は短答式試験において重要であり、論文式試験対策としては重要ではない(4.6%)』
『短答式試験を含む予備試験全般において暗記は重要ではない(2.7%)』
実に93%の合格者が、思考力が求められる論文式試験においても、暗記は重要だと振り返っていることがわかりました。合格者が「答案上に正確な知識を反映しないと得点できない」という暗記の一般的な役割にとどまらず、「答案作成の時間短縮につながる」「日頃の学習内容の理解や効率化につながる」ことも暗記と向き合うメリットだと考えていることがわかる印象的な結果となりました。
論文式試験合格のために予備校に通うメリットがあると思う受験生は非常に多い!そのメリットとは
「論文式試験の対策として予備校を使うメリットはあると思いますか?」と質問したところ、『あると思う(55.4%)』『ややあると思う(42.3%)』『そうは思わない(2.3%)』という回答結果になりました。
「あると思う」「ややあると思う」と回答した方を合わせると、ほとんどの合格者が予備試験論文式試験において、予備校を利用するメリットを感じているようです。
次に、「論文式試験の対策として予備校を使うメリットが大きいと思うものは次のうちどれですか?(複数回答可)」と質問したところ、『論文式試験の出題傾向や点の取り方などの分析情報を教えてもらえる(52.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『論文式試験合格に必要な知識を絞ってくれるのでコンパクトに勉強ができる(34.0%)』『効率的な勉強方法を教えてもらえる(33.5%)』となりました。
予備校を利用することによって、分析情報を教えてもらえたり、必要な知識を絞り込んでもらえたりと効率的に対策ができることから、論文式試験の対策として予備校の利用は必要だと強く感じている状況がうかがえます。
まとめ:論文式試験の難しさは「採点基準が公開されていないため絶対の正解がない」こと!合格するためには十分な対策が必要
今回の調査結果で、予備試験合格者の予備試験論文式試験の対策方法や、論文式試験がうまくいかなかった年の経験についてが明らかになりました。
予備試験論文式試験は、採点基準が公開されておらず、絶対の正解がないことや問題の難易度が高いこと、科目ごとに頭の使い方や対策や時間配分が違うといったことから難しさを感じている方が多いことが判明しました。
また、論文式試験がうまくいかなかった原因として、科目数が多いことから直前期の追込みが不足してしまったことや、試験時間内に答案を書ききれなかったことをあげた方が多く見られました。
論文式試験がうまくいかなかった年と最終合格した年を比べると、本試験の経験を通じて合格に必要な対策が掴めたり、時間管理や得点最大化の方法など戦略的な意識が高まったりしたことが合格に繋がったと感じているようです。
予備試験の天王山である論文式試験にはしっかりとした応用力を備えるために、過去問を活用して試験の出題傾向や求められる基礎知識の量を掴み、タイムマネジメントも意識しながら学習を進める必要があること、また、それにはしっかりと暗記と向き合うことが必要だということがわかりました。
受験生の多くが、採点基準の不透明さや時間不足に苦しんでおり、それを克服するための方法として、予備校や過去問を活用することが非常に効果的であると感じていることから、バランスよく取り入れることが合格への近道であると言えます。
司法試験・予備試験対策なら『加藤ゼミナール』
今回、「予備試験論文式試験」に関する調査を実施した株式会社加藤ゼミナールは、司法試験・予備試験のオンライン予備校『加藤ゼミナール』(https://kato-seminar.jp/)を運営しています。
■加藤ゼミナールについて
加藤ゼミナールは、司法試験・予備試験のオンライン予備校です。
創業理念は、オンライン予備校で良質な講座を適正価格で提供させていただくことにより、誰しもが居住地や所属にかかわらずに良質な法曹教育を受けられるようにすることで、法曹教育の機会均等を図って優秀な法曹を輩出し、ひいては法曹サービスを享受する社会全体に貢献することにあります。
代表を務める加藤喬講師(弁護士)は、総合39位・労働法1位で司法試験に合格し、7年にわたる予備校講師活動を経て、法曹教育の機会均等と真の合格実績の実現を理念として加藤ゼミナールを設立しました。
■実績
令和5年司法試験の合格者数212名
加藤ゼミナールでは、令和4年司法試験では有料講座の受講者様から110名の合格者を輩出し、令和5年司法試験では合格者数を212名まで伸ばすことができました。
基本7科目の講座では、総合1桁~10位台の超上位合格者を複数名輩出するとともに、総合2桁台の上位合格者を20名以上輩出。労働法の講座では、1位合格者、2位合格者を連続して輩出しています。経済法の講座では、開講1年で6位合格者を輩出しました。
■3つの特徴
1.経験と実績が豊富な一流の講師陣
最高峰のオンライン講義をいつでも・どこでも
加藤ゼミナールでは、経験と実績が豊富な講師が自らの得意とする講義を担当しているため、一つひとつの講義の質が非常に高いです。また、オンライン予備校であるため、経験と実績が豊富な講師陣による最高峰の講義をいつでも・どこでも受けることができます。
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2.完全オリジナルテキスト
講師作成の完全オリジナルテキストにより学習効果を最大化
加藤ゼミナールでは、全てのテキストを、上位合格者である講師が徹底したリサーチに基づいてイチから作成しているため、最高峰の品質を保つことができています。
この点が加藤ゼミナールの最大の強みであり、テキストの品質の高さは大変多くの合格者・受験生の方々から支持されています。
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3.低価格&効率化
オンライン予備校だからできる! 効率的な学習を低価格で提供
オンライン予備校の最大の利点は、いつでも・どこでも講義を受講できる『学習の効率化』にあります。
加藤ゼミナールは、高品質で効率化された学習環境を低価格で提供し、多くの方々の司法試験・予備試験受験を支援することで、『法曹の多様性の確保・向上』という司法制度改革の目的に寄与していきます。
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