ほどよい甘みと濃厚な味わいを楽しめるサーモン。回転寿司で一番人気のネタといわれている。ただ、普段口にしているサーモンのほとんどが外国産。そこで今注目されているのが、国内で養殖されたサーモン。
佐伯市蒲江の髙瀬水産では、これまで培ってきたトラフグの陸上養殖のノウハウと経験をいかし、日本固有の希少種であるサクラマスの陸上養殖を手がけている。
代表の髙瀬興治(たかせこうじ)さん(54)がサーモンの需要の高まりを受け、サクラマスの養殖を手掛けるベンチャー企業と協力し、2021年から陸上養殖をスタート。手探りだった当初は、十分に育たない個体もいたが、試行錯誤しながら次第に安定的な養殖方法を確立してきた。
1.5キログラム前後に育ったサクラマスは「さいき桜サーモン」の名で、県内の飲食店を中心に、道の駅や旅館などに出荷されている。あっさりとした味わいと甘み、身の美しさで取引先からは高い評価を得ている。
2024年から次男・温大(はると)さん(26)が養殖に携わるようになった。父から養殖のノウハウを学びながら、「さいき桜サーモン」を積極的に売り込む。
注目を浴びる国内産サーモン。新たなブランド魚として「さいき桜サーモン」の名を広めるため、親子二人三脚の挑戦が始まる。
会社名:髙瀬水産有限会社
代表者:髙瀬興治 代表取締役
住所:大分県佐伯市蒲江大字西野浦2644-1
販売先など詳細は髙瀬水産HP https://takasesuisan.com/
取材後記
「マス?サーモン?サケ?」
今回番組を制作するにあたり、これらの違いを勉強するところからスタートしました。
それぞれ名前は異なりますが、分類学的には同じサケ科。
時間の経過の中で、和名や英語名、さらには商品名などが混ざってしまっているそう。
さらに地域や時期、育つ場所が川か海かで名前が変わる場合もあったり、通称名で取引されていたり…頭の中は大混乱。
さらに詳しく知りたい方はこちらをご参考下さい。https://osakana.suisankai.or.jp/s-other/4931
今回、取材したサクラマスは自然界では希少な魚で、漁獲量も多くありません。養殖自体も容易ではなく、高い養殖技術力が必要となります。髙瀬水産ではこれまで培ってきたヒラメやフグの養殖技術をいかし、サクラマスの養殖に挑んでいます。
「さいき桜サーモン」の名で販売しており、販路も年々広がっています。さばきたての身は、弾力があり、これまでに食べたことのないような新しいサーモンだと感じました。
加工販売も行っていくことで、今後「さいき桜サーモン」が国内外に広がっていくのではないかと思うと楽しみです。ぜひ一度、「さいき桜サーモン」をご賞味ください。
(OBS大分放送/田中智基)
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