冷え込んだ「日韓関係」改善へ 尹錫悦氏が5月10日に大統領就任

韓国では10日、尹錫悦氏が大統領に就任します。尹次期大統領は、歴史問題がきっかけで冷え込んだ日韓関係の改善に意欲を示しています。その歴史問題をめぐって、韓国で論争となり、福岡にもゆかりのあるものが注目されています。

●記者リポート「後ろに広がる小高い丘、上空から見てみると、前が四角で後ろが丸い日本の古代の墓・前方後円墳と同じ形をしています」

全長約80メートルの「長鼓峰古墳」。5世紀終わりから6世紀初めに作られた、この前方後円墳があるのは、海沿いにある韓国南西部・全羅南道の海南郡です。日本固有とされる前方後円墳が、なぜ韓国にも存在するのか、そして埋葬されているのは誰なのか?反日感情などを背景に長年論争が続き、解明も進んでいませんでした。
日本への留学経験があり、長年、前方後円墳を研究してきた朴天秀教授は・・・

●慶北大学 朴天秀教授「倭人(日本人)で、その出身は石室の形態から見ると福岡県あたり」

韓国最大のこの古墳で去年初めて行われた本格的な調査で、内部の構造を確認した朴教授は「福岡県から来た豪族が埋葬されている」との見方を示しています。朴教授が韓国最大の古墳「長鼓峰古墳」との関連を指摘するのが、福岡県桂川町にある王塚古墳です。

●記者リポート「こちら石室のレプリカです。積まれている石すべて赤く塗られているんですが、さらに鮮やかな装飾も施されています」

●桂川町教育委員会 長安慧さん「王塚古墳の特色として、大きな石を基礎として、腰石と呼ばれるものですけど、その上に小さな石を積み上げて作っている」

2つの古墳を比べてみると、ベンガラと呼ばれる赤い顔料の使い方や石の積み方に共通点があります。
韓国ではほかにも、南西部で十数基の前方後円墳が見つかっていますが、解明は進んでいません。30年ほど前、国立博物館が調査したもののその際には報告書も作成されなかったということです。その理由は「古代に朝鮮半島南部を日本が支配していた」とする学説の証拠となることを恐れたためとみられます。

●慶北大学 朴天秀教授「非常に拒否感があるわけですね。もしかしたら、日本のこれまでの解釈に有利な資料が見つかったらどうするのと、そのような被害意識があった」

最近になって韓国国内の雰囲気も変化し、今年2月、2番目に大きい前方後円墳でも一部を試掘する調査が行われました。

●全南文化財研究所 イ・ボムギ所長「熱い問題になっている、古代の日韓関係に関する証拠とか、歴史的な遺物が出てきて明確な事実関係が明らかになることを願う」

また、去年も高速道路の建設中に前方後円墳が発見されました。この古墳については、道路を迂回させる措置がとられ、保存することが決まったということです。
文在寅政権下で、元徴用工や元慰安婦をめぐる歴史問題で悪化の一途をたどった日韓関係。朴教授は、活発に交流してきた歴史を見つめ直すことが大切だと話します。

●慶北大学 朴天秀教授「近現代の悪い話ばかり強調して、歴史をわい曲する。それは非常にダメではないかと思う。古代から我々が教わることはかなりある」

韓国では、歴史問題などで「文在寅政権が日韓関係を政治利用した」と繰り返し訴えてきた尹錫悦氏が、10日に大統領に就任します。

●尹錫悦・次期大統領「過去よりは未来に向けて何が両国民の利益になるのか、それを私たちがよく探していくことが重要だと考える」

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