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“ひる”“よる”共に、飲んで啜れる大名の頼もしい一軒

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料理、酒はもちろん、シメのラーメンまでうまけりゃ言うことなし! ってことで、“一軒で完結できる”福岡の実力派ラーメン居酒屋を紹介します。
今回は、僕自身もヘビロテしている大名「博多らーめん ちゃんぽん ひるとよる」へ。
なんてったって立地が良く使い勝手がいいですよね。さらに屋号の通り“ひる”も“よる”も、もっと言えば深い時間、深夜3:00まで開いている頼もしさ。
バリうまの豚骨ラーメンやちゃんぽんをサクッと啜れるランチスポットとして、そして夜はいい感じでゴチャゴチャと活気に溢れるTHE酒場として(よく見ると暖簾も昼夜で変えているんです)。僕の中では日常使いだけでなく来福客をもてなす特別な店でもあります。

ひるとよる外観1 ひるとよる外観2

僕の“ひるよる”(たいして略されていないのですが、ファンはそう呼びます)歴はオープンの2017年からですから5年になります。開業当初は麺に特化したメニュー構成でしたが、間もなく焼鳥が加わり、和洋中の一品も次第に増え、そして店主・松屋綱善(愛称:ツナちゃん)の熱に打たれたスタッフ、仲間たちも集まってきました。ラーメン、ちゃんぽん、その他一品もうまい。ということを大前提に“ひるよる”の魅力といえば、やはり心地よい酒場感にあると思います。夜は赤提灯がボワリと浮かび、涼しい時期は決まって店先のオープンエアのカウンターで客が飲んでいます。奥に長い店内のにぎやかな様子も通りから見られて、ふらふらと吸い込まそうな雰囲気。厨房の活気を間近に感じられる中のライブ感もいいですね。さらに、博多の筆師・錦山亭金太夫さんの作品が随所に飾られ、メニュー表も見てもスタッフ手書きのイラストが添えてあります(さりげないことなんですが、こういうの大事だと思います)。そのような“活気”“温もり”が相まって意心地の良さを生んでいるんです。

福岡にはこのようなラーメン居酒屋で「長浜御殿」(通称ゴテン)という歴史も古い超名店がありますが、“ひるよる”は、ゆくゆくゴテンのような存在感を放つであろう中堅どころ。一朝一夕ではなし得ない“いい感じの酒場”の魅力を醸してきたな、と個人的に感じています。

ひるとよる焼鳥

“ひるよる”はもちろん、ラーメン1杯だけでも大歓迎ですが、しっかりと飲み食いしたい時は、まずは焼鳥がおすすめ。
写真左から豚バラしそ巻き(260円)、豚バラ(170円)、ふりそで(220円)、せせり(220円)、つくね(220円)、コーン(70円)。鶏の肩肉の部位ふりそでは、ふくよかな弾力があり肉汁ジュワワのジューシーさ、つくねは時折り顔を出すナンコツの刻み方、コリコリ感が絶妙ですね。コーンに関しても一粒ずつ店内で串打ちしています。ひゃー、コーンの向きも綺麗にそろっている。この地道な豆仕事にも“ひるよる”の丁寧さが表れていると思います

ひるとよる一品、焼酎

「コリコリクラゲ」(左・450円)、「岩のりのキムチ」(右・450円)などのスピードメニューや焼酎もたくさんあるので軽く一杯という時にも頼りになります。僕の好きな宮崎日南の芋焼酎「飫肥杉」が置いてあるのもうれしいですね。

ひるとよるnomocaカード

ちなみに“ひるよる”で飲む時に覚えていてほしいのが、オリジナルカード「nomoca(ノモカ)」の存在。カードの名前、デザインはあのカードをパロったものですが、これ結構お得なんです。1枚1,000円で購入すれば1日1杯日本酒以外の好きなドリンクがサービスされます(1回ごとにスタンプを押し、10回使用可)。つまり生ビールも含め、ファーストドリンクが100円で楽しめるんですね。

ひるとよるラーメン2

さて、ほろ酔いになったところで「らーめん」(680円)といきましょう。
松屋さんは18歳でラーメン店でのアルバイトを始め22歳の時、味に感銘を受けた「博多らーめんShin-Shin」に入店。「Shin-Shin」の中牟田信一さんの元で10年間修業した後2017年に「ひるとよる」を開きました。ゆえにベースとなっているのは「Shin-Shin」で学んだ豚骨と鶏ガラの共出しスープ。醤油ダレだけでなく鶏の適度な甘味も立ったこのジャンルを僕は「甘味系豊潤豚骨」と勝手に呼んでいます。博多ラーメンらしいパンチがありながら、獣臭さは全くなく飲みやすいスープ。麺は「真鍋製麺」を採用し、「Shin-Shin」より少し太めのものを使っているのも特徴です。

ひるとよる ちゃんぽん

そして、もう一つ。ゴリ推しするのが「ちゃんぽん」(800円)です。僕自身の経験では県外からのお客さんを“ひるよる”に連れて行った時、ラーメンももちろん好印象なのですが、より皆がハッ! となるのが「ちゃんぽん」。豚骨ベースなのでどっしり感があり、クリーミー。炒め野菜、豚肉、エビなどの旨味が染みているだけでなく、中華鍋の中でスープが油とともに再乳化して、トロ~リとしたコクが出ています。ラーメンと食べ比べた時に、同じスープだとは信じられないかもしれません。“濃厚濃密”なスープが皆を虜にするんですよね。

「ラーメンありきのちゃんぽんか。ちゃんぽんありきのラーメンか」。

少しややこしいですけど、福岡の“豚骨ちゃんぽん”を語る時に僕はよくこの話をします。
つまり、ちゃんぽんは聖地・長崎も含め一般的に鶏ガラ主体のスープが基本。昔ながらの長崎の食堂では、圧倒的名物であるチャンポンの鶏ガラスープで2番手の位置付けのラーメンも作るため、白濁タイプではなく茶褐色醤油ラーメンのような一杯が多いんです(福岡にある「長崎亭」もその類ですね)。

一方、福岡ではその逆。主役の豚骨ラーメンのスープでちゃんぽんを作るわけなので、白濁した豚骨ベースとなるんですね(「ひるとよる」や「Shin-Shin」のほか「西谷家」「安全食堂」などもそう)。
まあ、要するに何が言いたいのかというと、
僕はよりパンチのある豚骨ちゃんぽんが好きです! ってこと。

今回の“ひるよる”だけでなく、福岡のラーメン居酒屋でちゃんぽんを見つけたらぜひ試してみてください。

ひるとよるメニュー1 ひるとよるメニュー2
店舗名:博多らーめん ちゃんぽん ひるとよる
ジャンル:居酒屋、ラーメン
住所:福岡市中央区大名2-2-41 サンライフ大名1F
電話番号:092-713-2008
営業時間:11:00~翌3:00
定休日:日曜
席数:カウンター12席、テーブル16席
個室:なし
メニュー:らーめん680円、チャーシューめん890円、焼らーめん780円、たかな焼きめし760円、ちゃんぽん800円、博多の皿うどん800円、焼き鳥5本盛り1200円、10本盛り2200円

URL:https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40045755/

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この記事を書いたひと

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