最初にこの店のことを知ったのは、とあるSNSの投稿でした。僕は長年の"アビサポ"(アビスパ福岡のサポーター)で、アビスパがJリーグに参入した頃からスタジアムに足を運んでいました。そんな古株サポーターの間でよく知られていた店が、渡辺通りのサンセルコ地下にあった喫茶店「チャーリーブラウン」。カレーやスパゲッティが名物でランチタイムには近隣に勤めるサラリーマンで常に満席になる人気店であり、ここのマスター(通称:チャーリーさん)が筋金入りのアビサポだったのです。長くJ2で低迷していた時期にも文字通りチームや選手をサポートし、店の壁面は歴代選手たちのサインで埋め尽くされていました。そんなアビサポの聖地ともいえる店でしたが、2025年3月に惜しまれつつ閉店。多くの常連客やアビサポが"チャーリーロス"を抱える中、店舗跡はしばらく空き物件となっていましたが、去年の夏頃にSNS上で後継店が決まったことがリリースされました。その店こそが、ガレット専門店の「LES VIEUX VOLETS(レ・ヴュ・ヴォレ)」です。
投稿主はフランス在住ながら、やはり熱血なアビサポで、僕もしばしばSNSのポストを目にしていました。一体どんな店ができるのかと期待したところ、なんとガレットの専門店というではありませんか! 最初のリリースから半年も経たずしてオープンした店に早速訪れると「チャーリーブラウン」時代の内装や壁面のサインはそのまま残しつつ、店内はフランスの空気を感じさせる空間に生まれ変わっていました。
店を切り盛りするのは、福岡出身のオーナーシェフとフランス生まれのマダム。お二人は日本の大学で知り合い、その後、マダムの実家があるフランス・ブルゴーニュ地方の小さな町に渡ります。そこで父親が営むビストロの看板料理である「ガレット」の製法を学び、帰国後にご主人の地元で出店するというストーリーがあったのです。
店頭には「チャーリーブラウン」時代の看板が置かれ、フランスから持ち帰ったアンティークの調度品を並べた店内は、まさにフランスの日常的な風景そのもの。店内に流れるBGMもシャンソンやフレンチポップスのアナログレコードで、古き佳き時代のフランスを彷彿とさせるレトロな雰囲気です。
今回訪問したのは猛暑の熱気が残る夕方の早い時刻で、まずはアペリティフと前菜の「生ハムの盛り合わせ」(1,600円)を注文。赤ワインをベースに果実を漬け込んだ「サングリア」(800円)はさっぱりと飲みやすく、数種類の部位をスライスした生ハムとの相性もバツグンです。
看板料理である蕎麦粉100%の「ガレット」(1,400円~)は、シェフがフランスの本店から受け継いだ製法で作る本場そのままの味。ハム、卵、チーズの基本具材に加えて、マッシュルームやチョリソー、スモークベーコンなどを加えた4~5種類が用意されています。国産の蕎麦粉では香りが勝りすぎるため、あえて外国産の粉を使っているというのも、できる限り本場の味を再現したいというシェフのこだわりです。
「ガレット」と並ぶ看板料理が小麦粉を焼いた「クレープ」で、今回はデザート代わりに塩バターとパウダーシュガーだけを使ったシンプルな「プルミエールブゥール」(750円)を注文。フランス産のワインもグラス700円、カラフェ(500ml)1,800円とお手頃な値段で、グビグビと飲めます。
ランチタイムには、ガレット・クレープ・サラダの「ランチセット」(2,000円)もあり、立ち飲み形式のカウンターで、エスプレッソやワイン、シードルなどのドリンクを飲むのもよし。それぞれに自由なスタイルで、「渡辺通りの小さなフランス」を愉しんでください。
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