とうとうタオルが手放せない季節になった。この時期は、ほんの少ししか歩いていないのに、目的地に着いて立ち止まると頭部から汗がダラダラと流れ落ちる。熱中症にならないよう、水分補給だけは怠らないよう注意したい。
同じ距離を歩くにしても、上り坂だと速度は落ちてもエネルギーは使う。下りは下りで、知らず知らずのうちに早歩きになってしまうことも。これは車でも同じ。そして、博多の街を駆け抜ける博多祇園山笠の舁(か)き山も。
15日の中継に備えて追い山笠のコースを歩くと、決して平坦ではないことに気が付く。旧東町筋、大博通り、旧西町筋。急ではないが、ごく緩やかに上っていたり反対に下っていたりする。特にコースを熟知しているベテランの舁き手は、どこで曲がるのか、どのくらい直線が続くのかなどは体が覚えているそうだが、当然、ちょっとしたアップダウンですら知り尽くしているだろう。それらを全て計算した上で山笠を前へ前へと進めていく。伝統785年の博多祇園山笠は10日、静から動の時期に移った。山笠を舁きながら、そのテクニックは各町、各流で日々受け継がれ、若い舁き手たちの経験値が増してゆく。
祭りのフィナーレは15日早朝。勢い水が混じった男たちの汗は、きっと成長の証となる。
7月11日(土)毎日新聞掲載
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