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博多阪急・博多駅周辺でハズせない人気カヌレ4選【福岡】

片桐絵都

フランス・ボルドー地方の郷土菓子「カヌレ」のブームが再来して早数年、専門店が続々オープンし、コンビニやスーパーでも手軽に購入できるようになりました。変化の激しいスイーツ業界で安定した存在感を放つカヌレの魅力を紐解きながら、博多駅周辺で押さえておきたい名店の味をご紹介します。

そもそもカヌレってどんなお菓子?

外はカリッとほろ苦く、中はもっちり濃厚。小麦粉、卵、バター、牛乳、ラム酒などを使い、蜜蝋を塗った釣鐘状の型でじっくり焼き上げるカヌレは、16世紀にボルドーの女子修道院で誕生したと言われています。

ボルドーワインを醸造する際、澱を取り除くために卵白を用いたことから、余った卵黄の使い道として修道女たちが作ったという説が広く知られていますが、実際には証拠はなく、現在のような形をしたカヌレ型も、カヌレ型の制作や修理を頼まれたという記録も、元祖カヌレのレシピも、何ひとつ発見されていないのだとか。

そんなミステリアスな起源も、カヌレの味わいに深みを与えているのかもしれません。

ブームはまだまだ続く!カヌレ人気の理由。

1990年代に第1次カヌレブームが巻き起こり、ナタデココやパンナコッタとともに、平成を象徴するスイーツとしてその名を馳せました。

そして2010年代にじわじわと人気が復活し始め、ここ数年で本格的に第2次ブームが到来。再ブレイクの大きな理由は、小ぶりなサイズ感、食感のコントラスト、リッチな風味が“大人のご褒美スイーツ”としてコロナ禍のお籠りニーズにハマったことと、アレンジを効かせやすいシンプルさがSNS向きだったこと。

でも実は私、世間でブームとして認識されていなかった空白の時代にも、某ベーカリーに立ち寄った際には必ずカヌレを買っていました。理由はひとつ。だって美味しいんですもの。

ブームでなければ食べてはいけないというルールはありませんし、伝統あるお菓子だからこそ、お店からカヌレが消えることはありません。決して派手な主張はないけれど、どんな時でも美味しく、人生にちょこんと寄り添ってくれる存在。粋なお母さんのような立ち位置が、一過性のブームでは終わらない理由のひとつなのではないでしょうか。

EVERY DAYカヌレ?博多駅周辺の選りすぐりの味を食べ比べ!

食事にもおやつにもデザートにもおつまみにもなる(と個人的には思っている)懐の深いカヌレ。福岡にもカヌレ専門店が増えていて、博多駅とその周辺には名店が集まっています。

今回はそのうちの4店舗をピックアップし、それぞれのカヌレを食べ比べ。カヌレの特徴である外のカリカリ度、中のもっちり度の2指標に加え、1日のうちいつ食べるのがベストかも勝手に星付けしちゃいました。

1. LA SOEUR[ラ・スール]のスペシャリテ・ラム(324円)&フリュイ(380円)

スペシャリテ・ラム(前)/ 324円、フリュイ(後)/380円
エントリーNo.1は『博多阪急』の地下にある福岡発のカヌレ専門店『LA SOEUR』。

外は厚めで、カリカリと言うよりもザクッ。全体的にもっちりと弾力があり、風味も濃厚で、噛んだ瞬間にラム酒とイチジクの香りがふわ~っと広がります。

甘味も割としっかりしているので、シャキッと目覚めたい朝に食べるのがおすすめです。
外のカリカリ度
★★☆☆☆
中のもっちり度
★★★★☆
朝食に食べたい度
★★★★★

SHOP DATA

日本人向けにアレンジされた大きめサイズのカヌレはボリューム満点。あまおうや知覧茶など、地元九州の素材を使った多彩なバリエーションも魅力です。
LA SOEUR(ラ・スール)
■住所:福岡市博多区博多駅中央街1-1 博多阪急B1F
■TEL:092-419-5871
■Instagram:@lasoeur.02

2. LECLERC[ルクレール]の発酵バター&コーヒー(各320円)

発酵バター(前)、コーヒー(後)/各210円
エントリーNo.2は、駅直結のカヌレ専門店『LECLERC』。

こちらも外はザクッとしていて、1よりも厚め。中は水分量が多く、もっちりどころかプニプニで、まるでプリンのよう。

発酵バターは豊かなコクがあり、コーヒーは甘いカフェオレを食べているような感覚。カロリーを補給したいお昼に食べるのがおすすめです。
外のカリカリ度
★★★☆☆
中のもっちり度
★★★☆☆
ランチに食べたい度
★★★★★

SHOP DATA

福岡カヌレブームの火付け役であるフランス人のロマン・ガブリエルさんが手がけるお店。お母さんのレシピで作る素朴な味わいと、ロマンさんの軽快な接客も人気です。
LECLERC(ルクレール)
■住所:福岡市博多区博多駅中央街1-1アミュプラザ博多B1F
■TEL:050-3442-4800
■Instagram:@leclerc_japan

3. パティスリーブティック trois[トロワ]のショコラ&黒ゴマ(各300円)

ショコラ(前)、黒ゴマ(後)/各300円
エントリーNo.3は『ANAクラウンプラザホテル福岡』内にある『パティスリーブティック trois』。

外はカリッカリで、中はもっちり、きめ細やか。ショコラはオランダ産チョコレートの芳醇な香りが鼻から抜けていき、黒ゴマは風味豊かで香ばしく抹茶との相性◎。

素材の良さがわかる上品な味わいはまさにホテルメイド。ひと息つきたい3時のおやつにぴったりです。
外のカリカリ度
★★★★★
中のもっちり度
★★★★☆
3時のおやつに食べたい度
★★★★★

SHOP DATA

駅から徒歩4分。フランス人総料理長監修のもと、ペストリーシェフの中山信さんが焼き上げる上品で繊細なカヌレが楽しめます。あえてプレーンを作っていないのも特徴。
パティスリーブティック trois(トロワ)
■住所:福岡市博多区博多駅前3-3-3 ANAクラウンプラザホテル福岡1F
■TEL:092-472-7754
■HP:https://www.anacrowneplaza-fukuoka.jp/restaurant/trois/

4. Les joyaux[レジョワイオ]のプレーン(各¥320)

プレーン/各320円
エントリーNo.4は、店屋町に昨年オープンしたパティスリー『Les joyaux』。

3よりもソフトながら、触れただけでわかるほど外はカリカリで、中はもっちもち。表面がしっかりキャラメリゼされていてほろ苦く、ラム酒も強めの大人味。贅沢な余韻も感じられます。

夕食後のデザートやお酒のお供にちびちびいただきたい1品。
外のカリカリ度
★★★★☆
中のもっちり度
★★★★★
お酒と一緒に食べたい度
★★★★★

SHOP DATA

駅から徒歩15分、パティシエ歴25年の芝泰史さんがディレクターを務めるパティスリー。伝統的な製法で焼き上げるカヌレはシンプルにプレーンのみで、店内の工房でその日に焼いた作りたてを提供しています。
Les joyaux(レジョワイオ)
■住所:福岡市博多区店屋町4-24
■TEL:092-600-9910
■Instagram:@les_joyaux0911/
  
以上、博多駅周辺を訪れたらマストで押さえておきたいカヌレ4選をご紹介しました。あなたの好みはどのカヌレ?何を買おうか迷った時には、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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この記事を書いたひと

片桐絵都

ベルリンなどの若手デザイナーのクリエイションを日本に紹介するショールームにてセールスを経験した後、ライター活動を開始。2018年よりフリーランスとして、ファッション、フード、カルチャーなど幅広い媒体でライティングを行う。

nasse片桐絵都