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ダム予定地に生まれて

暮らし
2020年第8回
制作:NBC長崎放送
ディレクター:山口 仁

春は桜や菜の花が咲き誇り、夏はホタルが乱舞するなど里山の原風景を残す長崎県川棚町川原地区。集落を流れる石木川にダム計画が持ち上がったのは半世紀前のこと。以来、住民の根強い反対運動が続いている。転機となったのは1982年に行われた「強制測量」。警察にガードされた県職員が測量調査のため現地に入り、進入を拒む住民らと激しく衝突。子供も老人も容赦なく機動隊に排除された。当時小学校2年生だった松本好夫さん(45)は泣き叫びながら機動隊と対峙した。高校卒業後、父が経営する鉄工所で働き地元に暮らしながら若者世代のリーダー格として反対運動を続けている。子供を運動に巻き込みたくないと思っていたが、大きな局面となった去年の県庁行動で初めて娘・息子を矢面に立たせてしまい忸怩たる思いもある。一方、県は着々とダム建設の準備を進め、去年9月土地収用法に基き、松本さんらの土地や家屋は強制的に収用されてしまった。川原地区には今も13世帯・約50人が住んでいるが立ち退きを迫られていて、行政代執行により家屋の取り壊しも可能な状況となっている。年配の住民は今も毎日ダム関連の工事現場に行き抗議の座り込みを続けている。人生の大半を「ダム問題」に費やさざるを得なかった、松本さんらダム反対住民の苦悩の半生を描く

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