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ハンセン病・家族たちの闘い

暮らし
2018年第20回
制作:RKK熊本放送
ディレクター:井上佳子

2016年2月、ハンセン病元患者を家族にもつ人たちが熊本地裁に損害賠償請求訴訟を起こした。原告は現在568人。長年にわたる強制隔離政策で、元患者の家族たちが受けた苦しみを知ってほしいと彼らは訴えている。
原告団長の林力さんは94歳。父親の廣蔵さんが隔離されたことで、家族は苦労を強いられた。力さんの母親は大学病院の下足番をし、もらうチップで生計をたてた。
同じく原告の奥晴美さんは、両親が療養所に隔離されたことで叔母の家に預けられたが継子扱いされ、貧困に喘いだ。隔離されているとはいえ、屋根の下に暮らし、食事も提供される母親の療養所での暮らしが羨ましかった。ハンセン病にかかった母親に対し、最後まで愛情を持つことができなかったという。
宮崎県に暮らす新田良子さんは、職場にも嫁ぎ先にも、親がハンセン病の元患者であることを隠し続けた。
1996年に89年間にわたった隔離政策に終止符が打たれた。1998年には元患者たちが国家賠償請求訴訟を起こし3年後に全面勝訴。それらの流れを受けて家族たちの心にも変化が現れた。最後まで築くことができなかった親との絆。ハンセン病元患者を家族にもつ彼らは、今、自分の人生の空白を埋めたいと思っている。

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