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ハーブの教え|アナウンサーコラム

ミント、フェンネル、ローズマリー、レモングラス。現在、自宅で栽培中のハーブの一部だ。
コロナ禍でモヤモヤしていた昨秋、思い立ってベランダでハーブの栽培を始めたのだ。
ハーブの香りで心身を整えようというのが動機で、今やすっかり夢中になってしまった。

サラダや肉料理に活用したり、ハーブティーにしたり。
複数のハーブを束ねてブーケに仕立て、部屋に飾ったりもした。友人に贈ったところ大層好評だった。

園芸店に行くのが週末の楽しみとなったが、盛夏の今は販売されるハーブは少なくなる。盛りは春と秋であることも知った。
人気の苗が出たらすぐに買い求めないと、出回る期間はごく短い。人気のイタリアンパセリなどは瞬く間に売り切れとなった。無くなれば次のシーズンまで待たねばならない。

スーパーに行けば年中、ハーブは販売されている。
セロファンに包まれた数枚のハーブに400円の値札が付いているのに疑問を覚えていたのだが、合点がいった。ハウスで冷暖房を駆使して栽培した、その経費も含まれた値段なのであろう。旬を越えて出回るものは、地球にも負担をかけているのかもしれない。
風にそよぐハーブから、そんなつぶやきが聞こえてきそうだ。

8月7日(土)毎日新聞掲載



下田文代 RKBアナウンサー。 福岡県春日市。
担当番組:仲谷一志・下田文代のよなおし堂下田文代 リーダーズストーリー など。

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