以前、間借り営業の穴場モーニング記事でスペシャルエディターの森さんが紹介していた「喫茶 こさじいち」が、店舗を構えたと聞き、早速おじゃましてきました。
場所は、間借り営業をしていた六本松からほど近い笹丘。飲食店や商店などが連なる「笹丘名店街」の一角に、「喫茶 こさじいち」はあります。
扉を開けると明るい笑顔で迎えてくれる一也さん・たまえさん夫妻。一也さんは精肉店やバーの厨房で調理の腕を磨き、たまえさんはスペシャルティコーヒーで知られる「ハニー珈琲」でバリスタとして働いた経歴をもつため、それぞれの強みを生かした“おいしいごはんと珈琲”を楽しむことができます。
お店を開きたいとずっと思っていたというお二人は、間借り営業のなかでその目標を少しずつ形にし、この場所に巡り合ったことで2026年4月に店舗をオープン。「自分たちの厨房をもったことでできることが広がり、お店の軸である料理がすごくおいしくなったんですよ」(たまえさん)、「間借りを終えて店舗をオープンするまでの間に、お菓子もレシピを練り直して進化しています」(一也さん)と、お互いの料理やお菓子のおいしさを教えてくれる仲のいい様子にほっこりします。
昔ながらの純喫茶が好きというお二人。店名に“喫茶”とあるとおり、こちらのお店も喫茶店のように落ち着いて過ごせる空間になればという想いで営まれています。
アンティークショップで揃えたというテーブルや椅子もその雰囲気づくりに一役買っています。一脚一脚異なる椅子の表情も素敵ですね。
提供される料理やお菓子は「家族や大切な人に食べてもらいたいもの」という想いで作られています。昔ながらの製法の調味料や添加物を含まない材料などを使い、子どもから大人まで安心して食べられるものばかり。間借り時代から基本的なメニューは変わらず、デリプレートやカレーなどの料理、バナナケーキやキャロットケーキなどのお菓子を営業中のいつでも味わうことができます。
代表的なメニューのひとつ「南国うまみ豚の豚ハムと彩りデリプレート」(1,500円)は、自家製ハムを中心に、デリやサラダ、パンを盛った一皿。鹿児島県や宮崎県で育てられるブランド豚を低温加熱したハムは、ハムと生ハムの間のようなしっとりとした食感で噛みしめるたびにうま味が口いっぱいに広がります。きのこのソテー、芋のサブジ、赤タマネギのアチャールなど、スパイスやハーブを効かせたデリもひと口ごとに印象的。自然食品を扱う「スーパーマーケット マキイ」のパンにはさんでサンドイッチのようにして食べるとそれぞれの味わいが相乗効果を生み、さらにおいしく楽しめます。コーヒーとの相性がいいのはもちろん、お二人がお酒のお供として楽しんでいたプレートがもとになっているので、ワインやビールなどのアルコールに合わせるのもおすすめです。
料理はほかにグルテンフリーカレーやヴィーガンダルカレー、オニオングラタンスープなどの定番のほか、不定期で作られるハンバーグやハヤシライスなどのスペシャルメニューもあります。
オーダーごとに、たまえさんが一杯ずつハンドドリップで淹れてくれる「珈琲」(650円)。豆は浅煎りと深煎りから選ぶことができ、浅煎りはエチオピアで固定、深煎りはペルーやホンジュラスなどその時によって変わるそうです。この時にいただいた浅煎りのコーヒーは、コーヒーらしい苦みと浅煎りならではの果実感の両方を楽しめるバランスのいい味わいでした。
コーヒーと一緒に楽しみたいお菓子もたまえさんが手がけています。「スパイスおどるキャロットケーキ」(700円)は、その名の通り、シナモンやカルダモン、クローブなどのスパイスが効いた一品。細かく刻んだニンジンのほかにアーモンドパウダーやナッツが入り、卵は不使用。スパイスの香りとしっとりとした食感が心地よく、デリプレートを食べた後でも難なく胃に収まりました。
「ひとりでも誰かとでも、食事でもコーヒー一杯でもぜひ気軽にお越しください」とお二人。おいしい食事やお菓子、そしてコーヒーはもちろん、ご夫妻の温かい人柄と居心地のよさにおなかも心も満たされました。次はカレーをいただきにおじゃましようと思います。
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