400年以上の歴史を持つ長崎県の「波佐見焼」。ここから生まれたブランド「HASAMI」をご存じですか?
60年代アメリカの大衆レストランをテーマにした鮮やかだけど無骨な色合い。スタッキング(積み重ね)できる形状を特徴とする食器ブランド「HASAMI」は2010年に発表以来バイヤーの話題に上って次々と買い手が付き、小さなマグカップが年間3万個も売れると言う大ヒットを続けています。手掛けたのは、5年前まで倒産の危機に瀕していた波佐見焼の卸問屋「マルヒロ」です。生まれ変わりのきっかけは、ある会社の13代目社長の本を読み、経営コンサルタントを受けた事。その会社の名前は「中川政七商店」と言います。
「マルヒロ」は2年前にも新ブランド「ものはら」を発表。世界中に熱狂的なファンを持ち、エルメスのウィンドウディスプレイやユニクロのTシャツデザインなども手掛けるアメリカのフォントデザイン会社「ハウスインダストリーズ」とコラボレーションして、現在シリーズ第二弾を制作中です。世界を相手に渡り合う会社へ成長しようとしている「マルヒロ」。その3代目馬場匡平さん(29)。倒産目前だった問屋が挑む現在進行形のブランド再生記です。
60年代アメリカの大衆レストランをテーマにした鮮やかだけど無骨な色合い。スタッキング(積み重ね)できる形状を特徴とする食器ブランド「HASAMI」は2010年に発表以来バイヤーの話題に上って次々と買い手が付き、小さなマグカップが年間3万個も売れると言う大ヒットを続けています。手掛けたのは、5年前まで倒産の危機に瀕していた波佐見焼の卸問屋「マルヒロ」です。生まれ変わりのきっかけは、ある会社の13代目社長の本を読み、経営コンサルタントを受けた事。その会社の名前は「中川政七商店」と言います。
「マルヒロ」は2年前にも新ブランド「ものはら」を発表。世界中に熱狂的なファンを持ち、エルメスのウィンドウディスプレイやユニクロのTシャツデザインなども手掛けるアメリカのフォントデザイン会社「ハウスインダストリーズ」とコラボレーションして、現在シリーズ第二弾を制作中です。世界を相手に渡り合う会社へ成長しようとしている「マルヒロ」。その3代目馬場匡平さん(29)。倒産目前だった問屋が挑む現在進行形のブランド再生記です。
<取材先データ>
有限会社マルヒロ 担当者:馬場匡平さん
住所:〒844-0014 佐賀県西松浦郡有田町戸矢乙775-7
電話:0955-42-2737
HP:http://www.hasamiyaki.jp/ その他:直営店はリニューアル工事のため4月3日まで休業。
有限会社マルヒロ 担当者:馬場匡平さん
住所:〒844-0014 佐賀県西松浦郡有田町戸矢乙775-7
電話:0955-42-2737
HP:http://www.hasamiyaki.jp/ その他:直営店はリニューアル工事のため4月3日まで休業。
取材後記
波佐見焼卸問屋「マルヒロ」の三代目、馬場匡平さん(29)は、あまりにも力の抜けた人だった。22歳の時、父親の頼みで「マルヒロ」に入るまで、アパレル関係やエレベーター設置工事のバイトをして生活していたそう。焼き物に全く興味がなく、買った事もなかったという見事な無関心ぶりだった。その馬場さんが大ヒット作「HASAMI」シリーズを作りだした。大器晩成と言うには若すぎる年齢であろうが、昔の馬場さんを知っている人の中で、今の馬場さんの姿を想像できた人などいるのであろうか?
中川政七商店13代目、中川淳さんとの出会いは大きい。中川さんの経営コンサルタントについては、その著書に詳しい。マーケティングを一切考えず、いかに自分達の魅力を向上させるかだけを考え続けるその経営方針は、経営に全く縁のない私にもとても分かりやすく深い共感を覚えた。興味のある方はぜひ一読を。
馬場さんはその中川さんの教えを受け入れる真っ白な頭と心を持っていた。さらに、その真っ白なキャンバスに描かれたアイデアを実現できる高い技術力を、波佐見の産地は持っていた。「武器が眠っているならなぜ使わん?」と馬場さんは言う。長年有田焼の下請けとして働き、売れている商品があればそっと真似をして生きてきた波佐見の産地。一貫していることはただ一つ。「安くて丈夫な庶民の器」。400年の焼き物産地波佐見には、その名に対する誇り高いプライドよりも、確かな技術力が積み重なってきたのだ。
波佐見焼400年の技術力の中に投げ込まれた真っ白な頭と心、馬場匡平さん。馬場さんがこれからどんな波佐見焼を作っていくのか、とてつもなく楽しみだ。
中川政七商店13代目、中川淳さんとの出会いは大きい。中川さんの経営コンサルタントについては、その著書に詳しい。マーケティングを一切考えず、いかに自分達の魅力を向上させるかだけを考え続けるその経営方針は、経営に全く縁のない私にもとても分かりやすく深い共感を覚えた。興味のある方はぜひ一読を。
馬場さんはその中川さんの教えを受け入れる真っ白な頭と心を持っていた。さらに、その真っ白なキャンバスに描かれたアイデアを実現できる高い技術力を、波佐見の産地は持っていた。「武器が眠っているならなぜ使わん?」と馬場さんは言う。長年有田焼の下請けとして働き、売れている商品があればそっと真似をして生きてきた波佐見の産地。一貫していることはただ一つ。「安くて丈夫な庶民の器」。400年の焼き物産地波佐見には、その名に対する誇り高いプライドよりも、確かな技術力が積み重なってきたのだ。
波佐見焼400年の技術力の中に投げ込まれた真っ白な頭と心、馬場匡平さん。馬場さんがこれからどんな波佐見焼を作っていくのか、とてつもなく楽しみだ。
NBC 長崎放送 ディレクター 古川 恵子
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