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SDGs "才能"生かして生活の自立目指す 百貨店を彩る障がい者アート

<リード>

シリーズ「SDGs」。

今回は、8番の「働きがいも経済成長も」です。

福岡市の百貨店で実施しているアートイベントに、障がいを持つアーティストの作品も並んでいます。

優れた才能を生かして安定した収入につなげ、自立できるようにしようという取り組みです。

<VTR>

博多阪急で、館内のいたる所に展示されているのは、九州・沖縄を中心にしたアーティストの作品です。

6階の紳士服フロアで黙々とカッティングシートを貼り付け、即興で作品を仕上げているのは、本田雅啓さん。

フロアのあちこちに飾られた作品はすべて、本田さんも利用する障がい者福祉施設で制作されたものです。

インタビュー

佐賀県基山町にある障がい者就労支援施設「PICFA」。

絵を描いたり編み物をしたり、21人の利用者が、思い思いに制作に取り組みます。

活動拠点になっているこのアトリエ、実は・・・

記者リポート「こちらの福祉施設では、病院の一角を改装してアトリエを設けています。こちらの部屋は改装前は手術室だったということです」

インタビュー

施設長の原田啓之さんは、兄が知的障がいを抱えていたことがきっかけで、福祉の世界に入り、2017年に「PICFA」を設立しました。

インタビュー

PICFAは、アートの制作を指導しているわけではありません。

就労支援施設として、あくまで生活の支援をメインにしています。

インタビュー

一人一人が自立して生活できるよう目を配りながら、自由に作品を制作させることで、アーティスト同士が互いに高めあう。

そんなPICFAが、利用者の大切な居場所になっているのです。

インタビュー

この日は、博多阪急の担当者が事前の打ち合わせに訪れました。

アーティストが下書きもせず、油性ペン1本で次々に書き進める様子に、驚きを隠せません。

インタビュー

なぜ、PICFAに作品を依頼したのでしょうか。

インタビュー

博多阪急のイベントでは、展示された絵やグッズをその場で購入できます。

作品の売り上げのほか、企業とのコラボレーションやデザインの受注で得た利益も、すべて利用者の手取りになります。

PICFAのような「就労支援B型施設」で利用者に支払われる「工賃」は、全国平均で月に1万6千円程度。

原田さんは、コラボを積極的に引き受けることで、利用者の収入を増やそうと奔走しています。

インタビュー

障がい者がそれぞれの特性を発揮して自立し、もっとのびのび暮らせるようになってほしい。

優れた才能を直接見せられるアートイベントは、その目標に近づくための大きな一歩です。

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