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“あまみず”をデザインする!~雨水活用の最先端を行く福岡~

渇水・豪雨を経験している福岡には雨水の研究者が多い。
その一人、福岡大学工学部の渡辺亮一教授の自宅は壮大な実験住宅。
家の基礎が貯水タンクという日本初の「マイホームダム」で生活用水を賄う。

水質も水道水基準をほぼクリアしている。教授の手がけた福大サッカー部グラウンドは、快適性を認められ、 日本初、FIFA2スター認定グラウンドに。「サッカー部が日本一になれたのは快適性の賜物」と教授は笑うが、 それを生み出した技術とは?雨水活用でおなじみの「雨水タンク」も地域一帯で使うと立派な「街ダム」だ。
豪雨で浸水被害の出た福岡市樋井川流域で進む「街ダム」の成果は?
簡単な装置でも雨は集められる。「雨の罠」と呼ばれるネット「雨葉」は水道のない畑・ベランダで重宝する。 デザインのヒントは、昆虫!?「昔の人も知恵を絞って水を溜めてきた。

現代の知恵で自分に必要な量を溜めればいい」と制作者の吉村正暢さん。
従来の雨水活用の枠を越えた、数々の福岡の「水を溜める技」は、今、洪水抑制や災害時の水確保として大注目で、?水に困っている海外でも導入されている。
梅雨のひととき、あなたも「雨」の新しい溜め方を、楽しく、考えて見ませんか!

<取材先データ>
☆「マイホーム・ダム」「福大サッカー場」
「樋井川流域の街ダム」
福岡大学工学部社会デザイン工学科 渡辺亮一教授
住所:福岡市城南区七隈八丁目19-1
電話:092-871-6631(代)
HP:http://www.fukuoka-u.ac.jp/
☆「マイホーム・ダム」
会社名:公益社団法人 福岡県建築士会
TEL:092-441-1867

☆「集合住宅ダム」
会社名:荻浦ガーデンサバーブ
HP:http://oginoura.com/
会社名:株式会社 大建
住所:福岡市早良区南庄2丁目9-12
TEL:092-851-3900
HP:?http://www.d-ken.jp/

☆雨の罠「雨葉」
会社名:吉村デザイン工房
住所:福岡県糸島市志摩小金丸405-2
TEL:092-327-0205
HP:http://www.ameha.jp

取材後記

1994年の福岡大渇水を、社会人1年目で経験した私。断水で、家にいる夜も朝も水が出ず。
といって昼間、溜めに帰る事も出来ず、大変!でした。その頃から漠然と感じてきた「水」への不安。
といって、何をしたらいいのか?自分への答え探しのような番組作りとなりました。昔の人は、田んぼやため池や甕などで身近に「水」を溜めていたのだから、現代を生きる私達も新しい方法で、身近に「水」を溜められるのでは?水を溜めて洪水を抑制し、災害時に水に困らない新しい方法の一つとして、「マイホーム・ダム」や「集合住宅ダム」、 是非紹介したいと思いました。

雨水活用の方法や道具は既に他にも色々ありますが、普及していない分、割高です。水を得るためには当たり前と考えるのかコストと思うのか。私達が変わる番かもしれません。
身近に取り入れられそうだな、と紹介した、雨の罠「雨葉」。農業用ネットのメーカーさんも感心した商品で、メーカーさんが商品化しようとしたけれど縫製が難しく、コストがかかって断念されたそうです。 ものづくりの盛んな九州、縫製工場も多いので、どこか、縫ってくれるとこ、ありませんか!

放送尺の関係などで、今回入りきれなかった、「雨水」エピソードを三つ。
小学校の雨水タンクの取材では、子供達が「何の取材?雨水タンク?何が凄いと?雨をためとうだけやん」と。
ここの子供達にとって「雨水」は普通のこと。素敵!
集合住宅の中庭には、夏、ビニールプールが並び、子供達が雨水で水遊びをするそうです。
水道代を気にせず子供達を遊ばせることが出来る。素敵!
福大・渡辺ゼミの学生さん達は、福岡大渇水を知らない世代ですが、
「雨水タメルンジャーZ」という戦隊モノで、子供達に雨水の有効利用を伝えています。
これが、なかなかいい味、出してます♪若い力、素敵!

昔の日本人は「あまみず」を「天水」と書いたそうです。水は、天からの恵み。
大切にしたいです。今後も取材、続けます。
担当: RKB毎日放送 宮川 直子

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