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有田焼×シンガポール!~陶磁器の可能性~

今、シンガポール土産として世界中の旅行者に評判の器がある。白地に呉須でシンガポールの柄が描かれたこの器は、有田・波佐見の器にシンガポール人がデザインし日本で染め付け輸出した器。手がけたのは有田焼・波佐見焼の総合商社「KIHARA」。10年以上取り組んだ海外事業で芽が出ず、最後にと臨んだ2012年のシンガポールで、ギャラリーショップ「Supermama」のオーナー兼デザイナー・エドウィン・ロウ氏(37)と出会ったことで運命が変わった!

中華系の多いシンガポールは陶磁器文化になじみはあるが、建国51年目の若い国で伝統産業がない。デザインすべき素材を探していたエドウィンと、このチャンスを逃さなかったKIHARAの木原長正社長(64)の戦略とは?そして、シンガポールからの依頼を可能にした有田・波佐見の「産地力」とは?更にKIHARAとSupermamaが描く次のステージとは? 有田で陶磁器生産が始まってちょうど400年。かつてヨーロッパの王侯貴族を魅了した有田焼が、今、新しい形で、再び世界へ羽ばたく!
<取材先データ>
■KIHARA (佐賀)
直営店:〒844-0024 佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351-169 有田焼卸団地内
TEL :0955-43-2325 FAX 0955-43-2677
営業時間:9:00-17:30
定休日:元旦
HP:http://e-kihara.co.jp/ その他:
「KOMON」豆皿 648円
「アリタアイコン」3.564円
「トーキョーアイコン」3.780円
☆10月19日~11月1日 東京新宿 伊勢丹新宿本店にてARITA400Project開催中!
☆10月1日~11月30日 創業400年記念 有田まちなかフェスティバル開催中!
☆11月19日~27日まで有田焼卸団地を中心に全町内で秋の陶磁器まつり開催!

■ギャラリーショップ Supermama (シンガポール)
4店舗あります。詳しくはHPで。
HP:http://www.supermama.sg/ 「ワンシンガポール2016エディション」 84シンガポールドル
※毎年デザインが少しずつ変わっています
※シンガポールのみで販売

■創作シンガポール料理 wild rocket(シンガポール)
HP:http://www.wildrocket.com.sg/ 今回撮影したパスタの隠し味は、細かく刻んだお新香! シンガポールの素材をベースにアジアと融合した味付け・盛りつけは、日本人にも心地よく馴染みます。

■波佐見焼 窯元 和山(長崎)
HP:http://www.wazangama.co.jp/ 和山のオリジナル商品も素敵です。
※番組で紹介した商品はKIHARA、Supermamaで販売

取材後記


「若いシンガポールには伝統工芸がないので、デザインすべき素材を見つけるのも大変」。
シンガポールのショップのオーナー・エドウィンが語った言葉が印象に残った。
日本に住んでいると、あまりに身近過ぎて、伝統工芸品の価値を見過ごしているかも…。綺麗に重なる、フタがきちんと閉まる、という、基本から手を抜かない日本の陶磁器の品質は、世界も認めるところ。ただ、値段が高いのは、否めない。。。

シンガポールで有田焼が人気だと聞いた時、「日本から輸入すると高くなるのに何故?」と思った。シンガポールなら、陸続きのマレーシア、中国の陶磁器とコラボした方が安いのでは? 私の素朴な疑問に、コラボしたエドウィンはこんな例え話をしてくれた。「500コ発注すると、中国の企業はもちろん500コ送ってくるが、日本の企業は480コ。後の20コは品質が基準に満たないから出せない、と。損をするのは日本でも。結果、僕は日本の商品でカスタマーからクレームを受けたことは一度も無い。日本の製品は値段は高いが、クレーム処理の手間や店の信頼性を考えると、むしろ安いんだ」と。日本基準の凄さを、改めて実感。

コラボを受けた理由を木原社長は「2000年から始めた海外事業で高い授業料を払ってきたので(笑)、2012年にエドからの話があった時、これだ!とピンときた」という。産地の焼物には絶対の自信がある。焼物をどんなデザインで、どういう納期で作るか。12年に渡る海外事業での経験があったから、即決出来た、と。どんな経験も、生きる。というか、活かす!という心意気を感じた。

最後に。久しぶりの海外取材。自分の英語力(記憶力?)の低下著しく、「10ドル」が通じない。 「ダラー」の発音が悪いのか、複数形のSが抜けてたのかと、何度も言い直すが通じない。 が、ふと気づくと私は「ten」ではなく、「じゅう・だらーず」と言っていた(>_<)

小さなやり取りでストレスがかかる海外。アジアの近い九州沖縄の企業さんは、直接、海外へ出て行って、勝負している。もっともっと、色んな企業の、色んな経験を、紹介していきたい!
担当:RKB毎日放送 宮川 直子

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