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新型コロナ「第6波」はいつ?過去の5回の流行を振り返る

2021年から2022年にかけての年末年始は、オミクロン株の市中感染が日本国内でも徐々に広がり、第6波の入り口に差しかかっているのではないかという見方もある。1年前の第3波からこれまでを改めて振り返りながらこれからどのような対策が求められるかを、RKBラジオ『櫻井浩二インサイト』に出演した元サンデー毎日編集長・潟永秀一郎さんの解説とともに考えたい。  

ワクチン接種効果で死者数が減った第5波

2021年の年明けから秋口までのコロナ禍では、本当に多くの方が大変な思いをされました。この1年間で新型コロナウイルスの感染が確認された人は、約150万人。亡くなった方は、12月28日現在で1万4,894人に達しています。

経緯を順に追っていくと、2020年暮れからの第3波は年明けの1月中旬には1日の感染者が5,000人を超え、2月にかけて死者が1日100人を超える日も相次ぎました。

次いで、ゴールデンウイーク前後の第4波は、ピーク時の感染者数が7,000人を超え、5月18日には1日の死者数が216人に達しました。これは現時点で1日としては最多です。

そしてオリンピック前後の第5波。これは感染力の強いデルタ株によるもので、1日の感染者数は7月末から1万人を超え、8月20日には最多の2万5,992人に達します。死者も9月までほぼ1日数十人ペースが続きました。

こうして見てみると、感染者のピークは第5波ですが、死者数は第4波の方が多くて、これはワクチンの接種効果で重症化リスクが減ったからだと(もちろん感染者数そのものが多いので、医療崩壊が起きたわけですが)データを見る限りは言えそうです。

オミクロン株による第6波は“気づかないうち蔓延”か

今後のリスクは、もちろんオミクロン株で、既に国内各地で市中感染が出ていますから、いずれ拡大するのは避けられないでしょう。海外の状況から「デルタ株より弱毒化しているのでは」という風説もありますが、確証はありません。むしろ感染しやすく、症状が現れにくいので、気づかないうちに蔓延して感染者が急増するおそれの方が現実的です。仮に重症化率が低くても、母数が増えれば重症者も増えますから、気を緩めるわけにはいきません。

問題は、ワクチン接種が早かった高齢者の抗体が効果を持つ間に、3度目の追加接種が間に合うか「時間との闘い」だと私は思っています。間に合えば、感染者が一定程度増えても緊急事態宣言までは至らず、経済も回していけるでしょうが、間に合わなければ第5波の再来になりかねません。

今は、この状況が少しでも長く続くよう、手洗いやマスクなど基本的な対応を徹底するしかありません。そして、新型コロナで亡くなった人のご冥福を祈り、身近に残されたご家族がいれば、できる支援をしたいと私個人としては思っています。

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