SDGs 好機を逃すな!風力にかける地元企業~脱炭素に挑む 福岡

<リード>
世界で急速に進む「脱炭素」政策とビジネスを特集でお伝えします。
1回目は、「クリーンな再生可能エネルギー」として注目される風力発電。
一大拠点化を目指す北九州市の取り組みに地元企業がチャンスを見出しています。

<VTR>
北九州市が事業化を進める「グリーンエネルギーポートひびき」プロジェクト。
北九州市沖の響灘に大型の風車を25基設置し、国内最大級の洋上風力発電所の開設と関連産業の集積を目指す壮大な計画です。

●インタビュー

日本では、火力発電が76パーセントを占めるのに対し、風力発電はわずか0.9パーセントです。
島国である日本は国土が狭い一方、排他的経済水域の広さは世界6位です。
そこで注目されているのが、洋上風力発電です。
海の上は陸上に比べて風が強く、安定して発電できるほか、障害物がないことから発電量の多い大型の風車を設置することができます。
景観や騒音の問題が少ないこともメリットのひとつです。
政府は、2040年までに最大で原発45基分の電力を、洋上風力でまかなう目標を掲げています。

福岡県直方市で歯車などの設計や製造を手がける石橋製作所です。
風車の回転速度を数十倍に増幅させて発電機に伝える「増速機」の製造で、国内トップシェアを誇ります。

●記者リポート
「こちらが風車に使われる歯車ですが、大型トラックのタイヤほどの大きさでしょうか、とても大きく分厚いです。風車一台に10個ほど、この歯車が使われるということです」

北九州市の事業を好機ととらえ、現在、響灘地区に新工場を建設する準備を進めています。

●インタビュー

洋上風力発電にかかる主な費用は、風車などの「製造」と「設置」、そして「運用管理」の3つです。
政府は、このうち6割を国内でまかなう目標を掲げていますが、国内企業が担いやすい「設置工事」と「運用管理」だけでは、5割にしか届きません。
6割を超えるには、部品の製造や組み立てといった「製造」部分の一部を、国内で担う必要があります。
ただ、風車製造で実績のあるヨーロッパの企業から信頼を勝ち取り、供給元として契約してもらうのは簡単ではありません。

●インタビュー

風車のメンテナンスや運用・管理を行う北拓は、5年前から響灘地区に拠点を構えています。
船での移動や海上での作業が伴うことから、洋上風車のメンテナンスは安全管理が極めて重要です。
北拓は、船の位置や作業員の人数を地図上で、リアルタイムで確認することができるシステムを開発しました。

●インタビュー

一方、こちらは風車をコントロールするシステムです。

●インタビュー

現在、このシステムを活用して西日本にある約600機の風車の運用と管理を、北九州の支店で担っています。
技術を習得するトレーニングセンターを設置するなど、人材育成に力を入れていますが、それでも人手不足が続いています。

●インタビュー

この日は、人材育成の一環として、福島県から高専生のインターンシップを受け入れました。
高さ約80メートルの風車に登り、メンテナンスを体験します。

●インタビュー

かつて、日本の産業革命を支え「鉄の街」として栄えた北九州市。
再生可能エネルギーの要ともいわれる、洋上風力発電の一大拠点となることで、新たな経済成長と雇用の創出を目指します。

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