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阪神大震災から27年「福岡市直下の活断層は“臨界状態”」専門家が警告

暮らし
1月17日は阪神淡路大震災の発生から27年。日本列島では震度5弱以上の地震が相次いで発生している。地震発生のリスクは高まっているのだろうか。RKBラジオ『櫻井浩二インサイト』に出演した九州大学・地震火山観測研究センターの学術研究員・清水洋さんによると、福岡市中心部の直下を走る「警固断層」はいつ地震が発生してもおかしくない“臨界状態”にあるという。その規模はM(マグニチュード)7.2クラスで阪神大震災や熊本地震と同規模の巨大地震が福岡都市圏を襲うことになる。  

警固断層の危険性は「国内トップレベル」

「警固断層」は、わが国の内陸の活断層の中ではトップクラスの危険性があると考えています。活断層によって引き起こされる地震は、過去いつごろ発生したかを地質学的に調べることができます。警固断層については、だいたい4000年に1回くらいの頻度で地震が起きているということがわかっています。そして、最後に起きたのがいつかというと、警固断層の南東側、ちょうど福岡市の中心街から太宰府の方にかけてですが、その地域では4000年ぐらい前じゃないかと言われているんです。

 

4000年に1回くらい起きてきている地震で、前回が4000年前ということになると、今は“満期の状態”ということです。非常にリスクは高いというふうに考えています。ただ、これがあすやあさってなのか、数十年後なのか、あるいは100年後かというとそこまでの(予測の)精度はありません。

阪神大震災や熊本地震と同規模の揺れが福岡市直下を襲う

2005年の福岡県西方沖地震で、警固断層は北西側の半分はエネルギーを開放しています。残り半分の南東側が動くと、だいたいM7.2くらいになるだろうと考えています。福岡市の志賀島から九州自動車道の筑紫野インターチェンジ付近ぐらいまで、長さにして25kmから30kmの範囲です。

 

阪神淡路大震災や2016年の熊本地震はM7.3ですが、それらと同程度のかなり大きな地震になるだろうというふうに思っています。しかも震源は、福岡市のまさに都市圏中心部の直下になります。福岡市の中心部で震度6強、地盤が良くないところは7くらいになるだろうと思います。熊本地震のときの益城町と同じくらいの揺れが、福岡市の直下で起こるということです。

2005年の福岡県西方沖地震の発生で危険性は高まった

2005年の福岡県西方沖地震が起きたこと自体、臨界状態であることを示していますが、さらに断層が半分揺れると、残りの半分の動きも促進された状態になります。“無傷”であればもう少し耐えられますが、半分壊れとなると、残りも脆い。丈夫でまっさらな紙は破れにくくても、半分破れると残りも破れやすくなるのと同じです。

 

福岡県西方沖地震が起きたことによって、断層の南東側半分も非常に壊れやすくなっている状態なので、その危険性は高まっているというふうに考えています。

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