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匠の技を世界へ!夢を描く万年筆

大分県豊後高田市の文房具・日用品メーカー「ワンチャー」。 従業員26人の小さな会社の主力商品は漆や蒔絵など、日本の伝統工芸を装飾した1本数万円の「高級万年筆」だ。

岡垣太造社長(55)は設立当初、万年筆や腕時計など、海外製品の輸入事業をしていたが、母親が伝統工芸品「七宝焼」の職人であり、後継者不足に悩まされていたこと。 また工芸品そのものの需要が日本で減っていることを知り、万年筆の装飾に職人たちの技術を織り込めないかと考え、2011年に自社ブランドを立ちあげた。

若い頃の豊富な海外経験からメイドインジャパンの製品が世界で評価されていることを身をもって感じていた岡垣社長。海外での販売にも活路を見出し、大分県内の大学に留学していた外国人を積極的に採用した。いまは彼らの視点をデザインやマーケティングに取り入れることで、中国やアメリカをはじめ国内外で売り上げを伸ばしている。 岡垣社長の今後の目標は万年筆を通して、日本だけでなく、世界中の伝統工芸の技を継承し、守っていくこと。鉄道も高速道路もない大分の地方都市で、世界に目を向けた壮大な夢を描いている。
■取材先
会社名:株式会社ワンチャー
住所:大分県豊後高田市高田2848-11
電話:0978-24-0608
HP:https://jp.wancherpen.com

取材後記

万年筆とは「万年」使えるから万年筆。だから1本持っていれば十分だと、取材する前、私は思っていた。しかしワンチャーの万年筆を知ってからその考えは変わった。今回の主人公、岡垣さんは20代の頃、砂漠の緑化活動に取り組む農業の研究者だった。

そのとき意識していたのが「誰も手をつけていない研究テーマを見つけること」。これがいまのワンチャーの商品開発の原点になっている。
革新的なワンチャーの万年筆は伝統工芸を取り入れるだけではない。型を筒状ではなく、六角形にしたものや、手紙とともに香りを届けられるように香水を入れた万年筆を開発中だ。(あの香水を入れて手紙を書けば横にいなくても思い出してくれるかもしれない)

「万年使えるから1本あればいい」なんて思わず、ワンチャーの万年筆でワクワクしてみてはいかがだろうか。

担当:OBS大分放送 矢部 泰史

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