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検査を希望しない患者が増え「隠れコロナ」化~たまたま検査で判明も

新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に引き下げられ、医療機関は受け入れ態勢を縮小しています。一方で、感染が再び広がっている報告が上がっているほか、医療費の原則自己負担で検査を希望しない人が増え「隠れコロナ」の患者が増えている可能性もあります。


◆“ゾーニング”見直しで院内の行き来が自由に
新型コロナの重症患者を受け入れている福岡大学病院の救命救急センターです。第8波のピークだった今年1月時点では、7床ある重症病床が全て埋まっていました。15日、病院を訪れました。

RKB永牟田龍太「これまではエクモを使った患者が入っていて隔離された状態でしたがいまは誰もいません」

福岡大学病院救命救急センター・石倉宏恭センター長「ゴールデンウィーク前から一般の救急の病棟に3年ぶりに戻った。こうやって日常の診療をしていたのかなと思い出している。扉が解放されてコロナの隔離病棟というのはありません。以前重症患者を収容していたICUは当面の間、確保病床として4床確保しているが、現時点では重症患者は収容していないので空っぽの状態」

新型コロナの患者がゼロになったことを受けて感染者がいる空間を分けていた「ゾーンニング」も見直しました。応援で派遣されていた看護師は元の部署に戻り、限られた人だけしか入れなかった救命救急センターは、今や自由に行き来できます。医療機関は落ち着きを取り戻しつつありますが、安心はできません。


◆「撲滅されたわけではない」福岡地区では再び増加

「福岡地区で増えているのは間違いない、病床稼働率も13.9%になっている」

15日の会議では福岡地区で、新型コロナの患者が再び増え始めているという報告がありました。

石倉センター長「医療にとってのひっ迫、疲弊につながりかねないので0にはならないと思うが波は先にしてほしいし、波が来てもその高さは低くあって欲しいというのが願い。決してコロナが撲滅されたわけではないので、感染しやすい状況では自分で積極的に感染防御を講じて欲しい」


◆たまたま検査すると「コロナ」検査を希望しない患者
RKB大北瑞季「発熱などの症状がある患者は、駐車場で問診を受けています」

福岡市西区のクリニックでは、5類移行後も発熱症状などがある患者とそうでない患者の動線を分け、ドライブスルー形式の発熱外来が続けられています。このクリニックでも先月末から徐々に新型コロナの陽性者が増えているといいます。

井上さとし内科・井上聡院長「ゴールデンウィーク前は1日あたり0人だったのが、1日に1人2人とぽつぽつでてきた。2、3人の日もあります」

5類移行で医療費は原則自己負担となりました。そのため、風邪症状で受診した人のうち約半数は、検査を希望しないといいます。

井上院長「咳をガハガハするわけではなく喉の痛みや鼻水などの鼻炎・扁桃炎などの症状が多いです。そういう方にたまたま検査をするとコロナだったケースがあります。検査自体をせず風邪だけ診てくださいという患者も増えています。風邪だから2、3日休んで医療機関にも来ない人がいると予想できます」

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