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ピンチをチャンスに!博多ぐるぐるとりかわの「竹乃屋」 その人気の秘密とコロナに負けない攻めの経営戦略に迫る!

全国に59店舗を展開している一大居酒屋チェーン「竹乃屋」。
香ばしい煙に包まれてこんがりと焼かれ、外はカリカリ!中はもっちり!
10本、20本は当たり前、みんなが病みつきになる美味しさの「博多ぐるぐるとりかわ」は一体どうやって作られているのだろうか?

月間80万本売れる!ぐるぐるとりかわとは?

「竹乃屋」を一代で築いた竹野孔(たけの・とおる)社長とぐるぐるとりかわの仕込みをしている本社工場へ潜入した。職人が1本1本手作業でぐるぐる巻きにしていく。
手際よくスピーディーに巻ける様になるまで半年はかかると言う。
職人たちの巻き方に、竹乃屋ならではの美味しさの秘密が…
じっくり焼いて秘伝のタレに漬け込み、また焼くを繰り返すこと、なんと72時間!
手間暇かけて出来あがる博多ぐるぐるとりかわは、グループ全体で月間およそ80万本も作られている。

5坪の小さな焼鳥屋から始まった竹乃屋の歴史

「竹乃屋」の始まりは46年前、竹野社長の実家に開いた一軒の焼き鳥店からだった。
竹野社長曰く、まわりに競合する焼き鳥店がなかったこともあって人気店に。
そして人材不足が続いている飲食業界にあって、スタッフが定年までモチベーションを持って働ける環境を作るために2009年から多店舗展開に乗り出した。
その出店数はなんと102店舗!しかも単に拡大するだけではなく、見切りをつけるのも早く、現在まで撤退店舗数もなんと43に上っている。
「竹乃屋」躍進のカギとなったのは、出店と撤退を繰り返す「スクラップ&ビルド戦略」だった。

竹乃屋の人気を支える多彩なメニューや新業態

竹乃屋の人気を支えるのは博多ぐるぐるとりかわだけではない。
ブランド卵「つまんでご卵」をぜいたくに使った『うわさのたまご焼』、鹿児島県産の大型カンパチを店内で捌き数日間熟成させた『熟成アカバラ刺』、クリーミーでやさしい味わいの『マッシュルーム大根』、焼きさばを豪快に串刺しにした『焼きさば串』、呼子直送の『ヤリイカ活き造り』などなど人気メニューが目白押し。
そしてJR博多駅に隣接するオフィスビルの2階フロアに新業態も打ち出した。
ワインの醸造ができる都市型ワイナリー併設の居酒屋を作ったのだ。
ヨーロッパから直輸入したタンクを設置し、店内で醸造したフレッシュなセレクトワインが楽しめる。そんな攻めの姿勢の多店舗展開で業績を伸ばし続ける竹乃屋にもやがて新型コロナウイルスの影が忍び寄る。

コロナ禍でも攻めの姿勢を崩さなかった理由

コロナ禍で客の足は遠のき、時短営業を強いられて絶体絶命のピンチに陥る。
2019年には34億円だった売り上げは一気に21億円にまで激減。
しかしここで、竹野社長は驚くべき行動に出た。
2020年は7月にペイペイドーム店、8月に福岡空港店など5店舗をオープンさせた。
ピンチだからこそ攻める!反対する声もあったが竹野社長は信念を曲げなかった。
ついに店舗収入がストップするという事態になった時には社長の鶴の一声で、博多ぐるぐるとりかわの通販をイチからスタート。1週間で即席の通販サイトを作り、全スタッフ総出でぐるぐる巻きの作業に当たって1000名以上にのぼるスタッフたちの給料を補填した。
自販機での新しいテイクアウト事業も確立させ、2021年には竹乃屋史上最多となる18店舗を出店した。竹野社長はやがてコロナが収まることを予測して、ピンチをチャンスに変えることに成功したのだ。

1軒の焼鳥店から始まった竹乃屋の歩みはさらに広がっていきそうだ。

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