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フルーツの里にも濁流が流れた 農業被害も深刻 九州大雨

記録的な大雨は、農作物にも深刻被害を与えています。福岡県うきは市では収穫期を迎えた桃の実が大量に落下。久留米市のビニールハウスは再び浸水被害に見舞われました。

◆5000個の桃が地面に落ちた
福岡県うきは市で代々、桃を育てている白石俊明さん。記録的な大雨によって大量の泥水が畑に流れ込みました。

桃農家 白石俊明さん
「(ピーク時は)水が膝下くらいまであったんですよ。水分を吸いすぎたら桃が弱りやすいのか、あんまり雨が続くと腐れが続くから」

地面に落下した大量の桃。その数はすべてあわせると5000個余りにのぼります。

桃農家 白石俊明さん
「3割くらいの桃が被害を受けてだめになった。被害額は100万円いかないくらいかな」

白石さんによると2017年の九州北部豪雨の時よりも、被害は大きかったといいます。雨が降り続いたことで水がなかなか引かず、地面が乾くのを待つことしかできない状況です。

桃農家 白石俊明さん
「対策は難しい。自然が相手だから。もうどうしょうもないですよね・・自然相手だから」


◆桃だけではない、客もいなくなった。
白石さんは普段、近くの道の駅に桃を出荷しています。

桃農家 白石俊明さん
「去年も売上が多かったから、今年も期待していたんですけどね。夏の一番良いときに雨でしょ。道の駅に来るお客さんも多くないから。おとといくらいは、どこも通行止めになっているから、お客さんがいないなら桃を収穫してもどうにもならないからしょうがないですね、もう」

多くの桃を失った白石さん。それでも、前を向くしかないと話します。

桃農家 白石俊明さん
「あとは梅雨明けのぶんで取り返して。まだ熟していない、今から色がつく桃は意外とまだ関係ない。 あとはもう天気になって桃がおいしくなったら良いですね」


◆芽が出たばかりのチンゲンサイ 「枯れてしまう」
大雨の翌日、緑の田畑が広がる筑後平野は、一面茶色い泥水に覆われていました。

RKB 若松康志記者
「久留米市北野町のビニールハウスです。私の身長は170センチほどですが、この高さ。約2メートルの高さまで水につかってしまったということです」

今月3日の大雨でも浸水した久留米市北野町のビニールハウスは再び被害を受けました。

ファームクリエイト 佐藤弘也さん
「すねくらいまでは浸かったことがあるんですけど、こんな深さまで水が来たことはないです」

チンゲン菜を育てていたビニールハウス4棟は天井近くまで浸水。一週間前に種を蒔いたばかりでした。

ファームクリエイト 佐藤弘也さん
「水の勢いと泥の汚れでもまれちゃってるのでおそらく成長しないかなとこのまま枯れていってしまう。やっと芽が出てきて今からかなと思ってたんですけど」

水やりを管理する制御盤のほか、ブレーカー、ポンプも水に浸かり、壊れてしまいました。

ファームクリエイト 佐藤弘也さん
「電気設備関係含めるとこの4棟だけで500万円近くの損害にはなってますね」

さらに、泥が流れ込んだハウスは消毒する必要があり、1か月ほどはこのハウスでの栽培はできないということです。

ファームクリエイト 佐藤弘也さん
「水害で毎年のように経営体力が削られちゃってる状態でまたさらに今年。借り入れするにもできないような状態になっていますし、次大雨が来たらだめだろうなと思います。来年水害またおきるのであれば経営を辞めざるを得ない可能性も出てくると思います」

◆農家の相談窓口が開設
久留米市では、農作物や農業機械に被害が出た農家の相談に応じようと、13日から電話窓口を設けています。今後発表される行政の支援を受けられるよう、被害状況の写真を撮っておくことなどをアドバイスしています。電話相談は平日の8時半から午後5時15分まで受け付けています。

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