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アジフライで水産業に革命を!

福岡では今「アジフライ」が熱い。ブームの中心となっているのが、福岡市の水産会社「三陽」。アジフライの製造規模は国内トップクラスを誇っている。
水産大国だった島国日本だが、「調理が面倒」などの理由でこのところ魚離れが進んでいるほか、漁業従事者が高齢化、世界でも買い負けが続くなど、水産業は近年元気がない。
しかし健康的なたんぱく源である水産資源の可能性を信じ、およそ30年前に長谷煌一郎社長が起業。新規参入に厳しい業界で、当初は競りにも参加できないなど苦戦したが、販売手法を工夫し、価格と鮮度を武器に販路を拡大。既存の巻き網漁船団や水産加工会社などをグループに加えることで、漁から加工、販売まで一貫体制をとる、総合水産グループへと成長を遂げた。

その中核となっているのがアジ。国内トップクラスのアジの取り扱い量を誇る他、加工したアジフライの製造規模も国内トップクラス。刺身にも出来る新鮮なアジを使用、サクッフワッのおいしさを実現したアジフライは、専門店を展開、行列必死の人気店となっている。また自動販売機でアジフライなどの水産加工物を販売するなど、新しい販売方法にも挑戦している。
逆風の水産業に革命を起こす、三陽の取り組みを追う。

取材企業:株式会社三陽
出演者:社長 長谷煌一郎さん
住所:福岡市中央区長浜2-3-6
HP:https://sanyo-jp.co.jp/

取材後記

地下鉄博多駅の構内で、ひときわ異彩を放っている冷凍アジフライの自動販売機。てっきり話題作りのキワモノ的なものかと思いきや、しっかりとした戦略で置かれたものでした。ファンも多く、九州のお土産として買っていく方も。
私もこの取材中に何度か購入して食べましたが、調理は簡単、油もさほど多くは要らないし、多くの方が口を揃えるように衣が薄くておいしい。昔の記憶で、冷凍揚げ物って油に入れると飛び散ったりして調理が怖い、衣も分厚いし……という偏見を持っていましたが、今どきの技術はすごいなと目からウロコでした。

日本の漁業は転換期にあると言われています。環境変化などによる漁獲量の減少、魚離れによる消費の低迷、世界的な水産物の需要増に伴う価格上昇。よく聞く状況の厳しさを長谷社長の口から直接伺おう、と思ったものの、そうした悲観的な言葉は意外なほど出てきませんでした。
「環境変化で捕れなくなった魚ももちろんあるが、逆に捕れるようになった魚もある。捕れる魚が変わってきただけ」「魚離れに歯止めをかけるための加工が、魚の付加価値を高め、値段を高め、ひいては漁業従事者の待遇も高める」
───水産業への逆風をプラスに転化させようという三陽の様々な取り組み。その心意気と新しさ、ユニークさがアジフライの自動販売機に象徴されているのかもしれない、と思いました。
 

(RKB毎日放送 里山 千恵美)

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