「原爆の子の像」モデルの少女 親指の先にのるほどの小さな折り鶴に込めた願い そして兄の思い
広島に原爆が投下されてから10年後に、白血病により12歳でこの世を去った少女がいました。福岡市の劇団は毎年少女の体験を元にした朗読劇を上演しています。今年初めて少女の兄が劇を鑑賞しました。
少女の人生が伝える「平和」のメッセージ
朗読劇の中で禎子はつぶやきます。
「鶴の数はもう千羽をこえているのに、なんで神様は私のことを助けてくださらないのだろう」
劇は禎子さんが亡くなった3年後に、平和記念公園に「原爆の子の像」が建てられるところで幕を閉じました。
「これはぼくらの叫びです。これは私たちの祈りです。世界に平和をきずくための!」
観劇した中学生
「本当に苦しかったと思うし、自分では想像もできないような痛みとかもあって。それを同世代で体験されていると思うと心が苦しくなった」
観劇した人
「誰かが伝えたり、言っていかないと伝わらないものなので、これは」
「平和への活動というか、願いを実現させていくひとつの力になるのではないかなと思いました」
雅弘さんは、妹の禎子さんが病に冒されながらも最後まで失わなかった「思いやり」や「優しさ」を多くの人に持ってほしいと話しています。
禎子さんの兄 佐々木雅弘さん(82)
「劇の中で伝えられた禎子の心を持ち続けてほしい、そして伝え続けていってほしい」
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この記事を書いたひと
町田有平
2010年RKB入社。報道記者、情報番組ディレクター、ラジオプロデューサーなどを担当。2女の父で趣味はキャンプと筋トレ。