梅毒の「感染爆発」が止まらない、去年より2か月早く“1万人超え”~症状ないまま感染も
性感染症「梅毒」の患者の広がりに歯止めがかからない。国立感染症研究所が12日に発表した速報値によると、2023年は今月3日までに国内の患者が1万人を超えた。2022年は11月に1万人に到達していたことから、今年はそれよりも2か月早いペースとなる。
防ぎきれない“母子感染”流産や後遺症のおそれも
妊婦の梅毒患者が増えていることも気になるところだ。妊娠している母親が梅毒に感染すると胎盤を通じて胎児に感染するおそれがある。
川名教授「月に1人くらい梅毒の患者さんが来るようになっています。妊婦健診で見つかった方の場合、4分の3の方は無症状です。母子感染は抗生物質のお薬だけでは防ぎ切れないというところがすごく心配なところです。ここまで流行していると、コロナじゃないですけれども、いつうつってもおかしくないという意識をもって、ちょっとでもなにか変な症状があったときにすぐにちゃんと検査を受けることが一番大事です」
「先天梅毒」と呼ばれ、川名医師によると、治療を受けた母親のうち14パーセントが胎児にも感染していた。胎児が感染すると流産したり目や耳など体の発達に後遺症が残ったりすることもあるという。
気づかないとおそろしい病気 保健所で無料検査を
宮脇キャスター:
感染者が急増している一因としてマッチングアプリの影響が考えられるということですか?
RKB吉松真希:
性感染症学会で理事を務める川名教授は、「マッチングアプリの影響があるかのか、ないのかデータで示すのは難しいですが、1対1で地道に広がっていく意味では、やっぱりワンナイトですね。そういう性行動が広げる要因になっていると思います」と話しています。若い世代を取材すると、確かに性交渉目的でアプリを使用している人が多いことや、実際にアプリで知り合った人から性病がうつっている実態が浮かび上がります。
池尻キャスター:
感染しているかもしれないと思ったときはどうすればいいのですか?
吉松記者:
泌尿器科の病院やクリニックを受診するほか保健所で無料の検査も実施しています。気づかずに進行した場合には神経まひを起こすこともあります。川名教授が話していたように、梅毒は治療すれば治る病気ですが、胎児への影響はあります。一度検査することが大切ですね。
*2022年の取材を基に再編集しています。
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