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梅毒の「感染爆発」が止まらない、去年より2か月早く“1万人超え”~症状ないまま感染も

性感染症「梅毒」の患者の広がりに歯止めがかからない。国立感染症研究所が12日に発表した速報値によると、2023年は今月3日までに国内の患者が1万人を超えた。2022年は11月に1万人に到達していたことから、今年はそれよりも2か月早いペースとなる。

 

 

1)東京都(2490人)
2)大阪府(1365人)
3)愛知県(590人)
4)福岡県(588人)
5)北海道(479人)
6)神奈川県(456人)
7)兵庫県(324人)
8)埼玉県(310人)
9)広島県(305人)
10)千葉県(301人)

 

*9月3日時点の累積報告数

要因の1つとして考えられるのが“ヤリモク”。マッチングアプリを通して、性交渉を主たる目的として出会いを求めることだ。不特定多数との性行為が“カジュアル化”していることが、感染がおさまらない背景にありそうだ。梅毒は現代医療をもって正しく治療すれば治る病気ではあるものの、気づかないまま放置すると重篤な症状に陥る。妊婦が感染すると流産や胎児の後遺症につながることもあるおそろしい病気だった―。

キスでも感染、発疹やけんたい感

 

手のひらや足の裏に広がる赤い斑点。性感染症の一つである「梅毒」に感染した患者の写真だ。梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌が原因の感染症で、キスや性行為によって広がる。主な症状として、全身に発疹が出るほか発熱やけんたい感が現れることもある。日本性感染症学会の理事を務める医師によると、梅毒は自覚症状が出にくいため気づくのが遅れるケースが多いという。

 

 

日本大学産婦人科・川名敬教授「梅毒の怖いところは、症状が1回出ても勝手に消えていく潜伏期っていうのに入りますので、そうすると一見、治ったようになってしまいます。でも実は感染力があって、そこでまたうつっていることもあります」

 

国立感染症研究所の調査によると、今年報告された梅毒の感染者数は、今月3日時点で1万人を超えた。現在の方法で統計を取り始めた1999年以降で初めて1万人を超えた2022年に続いて、今年も1万人超えとなった。しかもそのペースが2か月ほど早い。

“ヤリモク”は当たり前?希薄化する抵抗感

出会いを求めて若者を中心に広がるマッチングアプリだが、見知らぬ人と出会うため当然リスクもある。

 

 

(Qなんでマッチングアプリしているんですか?)
女性「暇つぶし・・・」
男性「彼女が欲しかったんでその時は。とりあえず出会いだと思って」

「ヤリモク多いって聞くよね」「ヤリモクの人とか多分いるから」

 

取材中に、多くの若者から聞こえた「ヤリモク」という言葉。性交渉を目的に近づく人を指す。

 

 

 

男性「アプリはそういう目的じゃないですか?だって会って遊ぶだけじゃないですよね。お互いにそういう目的で会っていると思うから。(Q抵抗ない?)ないと思います。だってヤるためにやっているから絶対」

 

男性「友人がマッチングアプリで会って性行為をして、何日後かにうみが出たりとか痛いとか。それで検査に行ったら性病にかかったみたいな」

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